初島沖のカイワリで潮が速く釣りづらいとき用にと購入したサニーちびライト80号を鉄壁のサバに阻まれ時合逃し釣行で使ってみた。速潮対策だけでなく、鋭く速くシャクって誘うことが基本のカイワリ釣りにコマセ量が少なくなるデメリットを補って余りあるメリットが多数あることに気づく。
釣りにならないというほどではなかったがこの日も初島沖は潮が速かった。仕掛け投入時には鋭角にラインが入っていった。タナへの到着後は船長が少しでもシャクリやすいようにラインを立ててくれる。船の前後でラインにたるみが出たりタナが低くなったりで釣りにくい。こういうときのために買ったちびライトである。早速投入してみると、仕掛け投入時のラインの角度が鈍くなり、着底までの時間が少し短くなった。想像していたよりはっきりと速潮対策に効果がある。FLビシではタナを取るとき5メートルくらい一度底を切ってから底を取り直す必要があったが、ちびライトなら底を仕掛け分だけ切ってシャクリ始めても大きくタナが狂うことはなくなった。
コマセの量はFLビシに比べると半分くらいになる。FLビシでは10メートル幅を3回から4回シャクってコマセが残るように上窓の開きを調整していた。ちびライトの上窓はカチカチというクリック式の調整なので微調整はしにくいが、上窓を全閉にするとアミコマセがギリギリ通る絶妙な隙間ができる。これがちょうどよいコマセの出の設定だった。10メートル幅を2回シャクってコマセがほんの少し残ってくる。上窓は2個所(FLビシは3個所)しかなく、コマセの量が少なすぎるのでは?と不安を覚える人もいるだろうが、コマセシャクリのコマセは魚を寄せるというより、魚に仕掛けの存在を気づいてもらえる量があれば十分だと考えている。
シャクったときにビシが受ける抵抗が減った。FLビシをぶら下げていたときと同じ強さでシャクるとあまりの軽さに穂先が跳ね上がってしまったほどに体感的に軽くなった。軽い力で同じようにシャクることもできるが、より鋭くより速く動く仕掛けに反応するのがカイワリである。シャクり始めの一瞬にかける力をより強くしてその瞬間の竿の曲がりをFLビシ使用時に近づけることで鋭く速くシャクれるようになった。ラスト1匹とその後のバラシはあの潮の速さではFLビシではできなかった速いシャクリのおかげで魚信を出せたのではないかと思う。速潮とまではいかなくてもFLビシだと潮受けして鋭くシャクリにくいと感じたら、ちびライトを投入する価値はある気がする。
著者: へた釣り