東京湾のタチウオの産卵期は6月から始まり10月くらいまで。この時期、浅場に乗っこんでくるのを狙うのが夏タチシーズンなわけだが、指5本級以上のタチウオはすべてメスで抱卵していることがある。タチコを細造りにした身に和えて共和え(共子和え)にすると超美味。釣り人冥利だね♪
夏タチシーズンは指2本から3本級ばかり釣れることが多いが、その中に混じる指4本以上にこそ価値がある。浅場で掛けると引きが猛烈で釣って楽しいのはもちろんだが、抱卵している可能性が高い。タチウオの指4本以上はすべてメスとされている。雄性先熟型の性転換を行うのか、単にオスは大きく育たないのかは不明だ。タチウオの卵を捨ててはいけない。煮付ければ間違いなく美味しいが、日本酒で洗ってから半日ほど塩をして冷蔵庫で寝かせておくとタラコならぬタチコができる。そのまま食べてもOKだが、細造りにしたタチウオの身に和えて食べると絶品。これを食べると肝のないカワハギなんてと同様、タチコのないタチウオなんてと思えてくる。産卵期の指4本以上じゃないと味わえないのは、季節限定でしかも良型のみなので釣り人の心をくすぐる。
この日はポニョの半身の松笠揚げもいただいた。釣らなければアラフォー、アラフィフの熟アマダイに成長した可能性もある魚だが、バケツに放してもすぐに死んでしまうので釣りあげたらリリース不可能。ならば食べて成仏してもらうしかない。20センチ以下のアマダイは半身をウロコを付けたまま素揚げにする松笠揚げが美味。脂の乗りが足りないのを揚げることでカバーできるし、逆立ったウロコの食感が楽しい。抹茶塩で食べた。
著者: へた釣り