キス釣りでもう1本の竿を出してマゴチを狙う。釣れた魚(=本命)を餌に大物狙いすることをハモノ釣りというらしい。船宿の釣果でシロギス船で「ハモノ仕掛けにマゴチが2本」、アジ船で「ハモノでヒラメ、マトウダイ」などといった報告を見かける。本命よりも高級魚だし大物が釣れる。
ハモノ=大物狙いだとは釣れている魚から想像できたのだが、ハモノの「ハ」ってどういう意味なんだろうというのは想像できずに悩んだ。どうやら、「端物」あるいは「歯物」という字を当てるらしい。「端物」は「まとまった量にならないもの、はんぱもの、はしたもの」意味。
本命とは別にあわよくばで竿を出すため「はんぱな釣り物」ととればいいのだろうか? 「歯物」はフィッシュイーターを狙うから「歯」のある魚からきていると思われる。マゴチにしてもヒラメにしても東京湾ではサメにしても鋭い歯をもつ魚がハモノ釣りのターゲットになることが多い。
東京湾のハモノ釣りのメインターゲットはマゴチだ。水深が5~6メートルのポイントでシロギスを釣っていると、巻き上げているシロギスを水面近くまで追ってくるマゴチの姿を見ることがある(マゴチは底近くから浮かないとのはウソだと思う)し、面倒を見切れなくなって放置しておいた置き竿のハリスが根こそぎ切られていたり、シロギスの鰭がマゴチに食べられていたりという経験は何度かある。で、シロギス釣りには15号の鋳込み天秤をいつもバッグに忍ばせているのだが、ハモノ釣りでうれしい大物ゲストに巡り合ったことは今のところない。
著者: へた釣り