イサキ釣りのゲストの大アジ。引きが強くて釣ってて楽しいんだけど……その夜の食卓にお刺身にして上げると、子供から「いつものアジと違って美味しくない」と言われる。そんなわけないだろ!と少しムカッとしながら箸を伸ばすと……不味くはないが確かにいつものアジほど美味しくない。
東京湾のLTアジ船に乗って釣ってくるアジは子供にも大人気。20センチくらいのやや金色がかった小ぶりのアジだ。お刺身、なめろう、フライで食べて、30匹くらい釣ってもその日のうちに家族4人のお腹の中に収まってしまう。特にアジフライは争奪戦になるほどの人気メニューだ。ところが剣崎沖で釣った大アジは不評。争奪戦どころかお皿に残ってしまったのである。「食べないの?」と聞くと「いつものアジと違って美味しくない」。
■剣崎沖のアジはマルアジ。東京湾の金アジはマアジと別種釣りの楽しみの1つが、子供たちが魚を「美味しい、美味しい」と食べてくれること。面と向かって「美味しくない」と言われるとがっかりだし、人間ができてないのでちょっとムカついたりもする。でも、食べてみると、確かに……。美味しくないというと語弊がある。
十分に美味しい魚だと思うがいつも釣ってくるアジに比べて脂の乗りが悪くて、身の味が薄いように感じる。剣崎沖のアジって美味しくないのかな?と思って調べて見ると、なんてことはない。いつも食べているアジは「マアジ」で、剣崎沖で釣ったアジは「マルアジ」と種類が違ったようだ。
マアジとマルアジの見分け方は3つあるらしい。
1.側線の湾曲が急なものがマアジで緩やかなものがマルアジ。(写真内黄色線)
2.ゼイゴが曲がる部分まで胸鰭が届いているものがマアジで、届かないものがマルアジ。(写真内赤線)
3.尾鰭と背鰭の間に小離鰭(オレンジ丸部)があるものがマルアジでないものがマアジ。
マアジはスズキ目アジ科マアジ属、マルアジはスズキ目アジ科ムロアジ属。属が違うくらいなので、外観が似ていても食味が違うのは当然だ。さらにマルアジは血合が多く、夏場は美味しくないとある。アジだから美味しいと決めつけていたへた釣りよりも子供たちの舌の方が正しかったわけだ。
■LTアジ・シロギスリレー船で美味しいマアジを大漁したいぞ東京湾のLTアジ釣りは、東京湾の西側(本牧~小柴沖)では、そこそこの釣果が出ているようだが、東側(長浦~木更津沖)での釣果は今年はまだ安定していないようである。へた釣りのこの時期のお気に入りはLTアジ・シロギスリレー船。品川・中金から出船している。ほかの船宿で午前LTアジ、午後シロギスを組み合わせても同じ釣りができるが、一度港に帰って船を乗り換えてという手間がないし、船長判断で、朝方のアジの調子が悪ければ先にシロギスをやって夕方のアジの活性アップに賭けるなど、フレキシブルに対応してくれる。LTアジもシロギスも1日やると中弛みが生じる釣り物だが、まったく違う釣法と釣趣の組み合わせなので、1日だれることなく釣れるのもうれしい。ついでに書くと食味も違う!
実は、昨年の6月27日に初めてLTアジ・シロギスリレー船に乗って、アジ64匹+シロギス22匹と大漁したのが、船釣りに足しげく通うようになったきっかけである。今年も開幕と同時に6月26日に乗船しようと予約を入れておいたのだが、出船人数集まらずでお休みに。へた釣りは去年と同じような日にちだから釣れるはずと思い込んでいたのだが、ほかの釣り人(&船長)は、今年は東側(長浦~木更津沖)のアジはまだ早いと判断したせいだと思われる。早く、子供たちに「美味しい」と言ってもらえるアジが釣れるようになるといいのになぁ~♪
著者: へた釣り