半日アジで人生初のクロダイ(それも良型)を釣った妻1号は、まずは釣り名人の北海道の師匠(妻の父)に電話で報告。続いて子供1号・2号にLINEで連絡し、日曜の夜に集合命令を出す。子供たちの仕事の時間が不規則なため全員そろっての夕食は久しぶり。祝賀お鍋パーティを開催。
釣行した日にクロダイを食べても身に旨味が回らず硬いだけで美味しくないので、その日はアジのお刺身をいただく。25センチ近くあるA5ランクだけを選んで造ったので脂の乗りが抜群で舌の上に置くとじゅわりを脂の旨味が溶け出してくる。アジ釣りに行って15匹だと釣っている最中は物足りないが、いざ食べて見るとこんな美味しい魚が15匹もと釣行の満足度が跳ね上がる気がする。
釣行翌日が日曜日で夜7時に家族4人全員集合。時間になってリビングに行くと、クロダイの中骨から取ったであろう出汁のいい香りがする。この出汁で豆腐と野菜をよく煮込んでから卓上のコンロへ。妻の釣ったクロダイはでっぷり太っており、身の厚みが抜群。よく煮ないと中は半生になってしまいそう。47.5センチもあると4人分の身は十分にある。身を鍋に投入し、馬路村のポン酢にカボスを搾って追いポンしたら準備完了。
豆腐や野菜を食べながら身が煮あがるのを待つ。マダイ釣りをする人からはクロダイは下魚扱いされる(クロダイが好きと言っておくともらえることがよくある)が、クロダイの出汁の美味さはマダイに劣らないと思う。身だって決して負けてない。ほっくりとした身には白身魚らしい甘みがあり、煮えた皮のプルプルとした食感まで食べて楽しい魚だ。美味しいねと言うたびに妻が身振り手振りを交えて釣ったときのことを自慢気に語ってくれるのが面白かった。
著者: へた釣り