心待ちにしている品川・中金のハゼマゴチ船の開幕。「9月第1週からですか?」と船長に聞いてみたところ、「う~~ん、餌次第」とのこと。東京湾奥のハゼの沸きがよくないせい?と思ったら、そうではなくて……「昨日の大雨でハゼが大量に死んじゃって」というのが理由みたい。
雨が降って魚が死ぬ。信じられないことだが、事実のようである。品川・中金の出船場所は北品川の運河。流入する川もなく、海水の袋小路のような場所である。ハゼマゴチの出船前には、中金のスタッフの人が出船桟橋の周りで餌のハゼを釣ってくれる(自分で釣りたければ早めに行ってお手伝いも可)。この海水の袋小路に大雨が降ると……。
「死んだハゼがいっぱい浮いているのが見えますよ」と船長に言われて、LTアジ・キスリレーの帰港時に水面を見ていると……確かに、白い腹を見せて漂うハゼの溺死体が。海水の塩分濃度が急激に変化したため、適応できずに死んだと思われる。にしても、運河とはいえ、海はつながっている。いくらでも逃げ場はあるだろうに、溺死するなんて実に変わった魚である。
著者: へた釣り