イサキの仕掛けをマダイ用に買って余っていた3.5号のハリスで作っていたら、治久丸の釣り名人より「太くないですか? 2号、太くても3号でじゅうぶんかと…」と指摘を受ける。ちょっとオーバースペックかなぁとは自分でも思っていたのだが、ハリスの太さと魚の食いは関係あるんだろうか?
船釣りではよく分からないが、堤防での釣りでハリスの太さと魚の食いに関係があることは経験則的に知っている。でも、魚にハリスが見えているせいとは考えていない。海面に打ったコマセはハリスも針もガン玉もなしに沈んでいくわけで、そのコマセと同じような速度で付け餌を沈ませるために適した太さのハリスがあるように思う。実際、ハリスを1.5号から1号に落とすと急に魚信が出始めるという経験を何度かしている。G4のガン玉(0.2グラム)1つで釣れたり釣れなかったりする釣りなので…ハリスが0.5号違えば0.2グラム以上の影響が明らかにあると思う。
船からのコマセ釣りの場合、海中に仕掛けが馴染んでからコマセを振り出し始めるわけで、仕掛けの沈降速度が問題になっているわけではない。ではなぜ? 「利島は3.5号で大丈夫です。初島は一ヶ月以上やってるんで、さすがにすれてきたなあという印象です」が釣り名人からのヒント。開幕当初や離島遠征など、魚がすれるまではハリスの太くても大丈夫だと読める。コマセとの同調が問題なのではなくて、ハリスが太いと海流の影響を受けやすいので不自然な動きが発生して、すれたイサキが食いついてこなくなるってことなのかな? ハリスの太さ自体は2号=0.235㎜で3.5号は0.31㎜と大差ないように思えるが、仕掛け全長6メートルだとその表面積で潮流を受けるわけで、ハリスの太さのせいで仕掛けの動きが不自然になり、イサキが警戒して食う気をなくすというのは理解できる。
ハリスの太さとコマセへの同調を重視する釣りにマダイ釣りがある。その日の潮の状況によって、間にサルカンを介したり、ガン玉を付けたりと工夫するプロアングラーの姿をテレビで何度も見たことがある。これもハリス10メートルなんていう超ロングハリスで釣るからだろうか? 一方、マゴチ釣りは1.5メートル程度と仕掛け長が短いため、4号のハリスを使っていると「食い変わらないからもっと太いの使ってよ」と船長に叱られたことがある。それでもなぜかマゴチ釣りはハリス4号の方が魚信が出やすいような気がするんだけど…気のせい? ハリス4号でのタナの取り方を覚えてしまっているので、ハリスを5号に変えたらタナが狂っちゃうのかな?
ハリスが見えて見切ってしまうとされている魚の代表がメバル。メバルに関しては確かに細ハリスの方が圧倒的に釣果に恵まれるという傾向がある。へた釣りの場合、基本が0.8号で、それでも食いが悪い時は0.6号まで落とすこともある。数釣りシーズンでも1号まで。メバルに本当にハリスが見えているのかどうかは分からないが、細ハリスほど釣れるのは事実。モエビがハリスの抵抗を感じずに元気よく動けるから?と考えたこともあるのだが、潮が速くラインがものすごく斜めに入る(モエビはおそらく潮に流され動くどころじゃない)ときも細ハリスの効果があった。メバルにはハリスが見えてるのかなぁ?
著者: へた釣り