オニカサゴ釣り以前の最も深い釣りは120メートルくらいまでだった。洲の崎沖のウィリーや伊東沖のカイワリ五目、釧路沖の北海道五目がそのくらいの深さで釣ることがある。オニカサゴでいきなり200メートルなんてポイントに挑戦したら、いろんな未知の生物が釣れるもんだなとビックリ。
オニカサゴの2戦目でも「ぬいぐるみ? かわいいナヌカザメに鬼退治失敗を癒される」といろんなサメ(深海ザメ?)が釣れるのに驚いた。オニカサゴの今季最終戦となった3戦目は船が片舷3~4人と空いていたので、水深200メートルでの釣りを経験させてもらった。魚信や魚の引きの竿への伝わり方が小さかったり、道糸が水の抵抗を受けるので同じ錘を使っていても5割増しくらいで竿が重く感じたりと、深場って嫌いかもと感じる要素の方が多かったのだが、見たことがなかった魚をみられたのが収穫だった。
一番よく釣れていたのがカラスザメという全身真っ黒で目だけが不気味に光る小型のサメ。全長30~40センチくらいの物が結構いい頻度で釣れていた。宇佐美・治久丸のアカムツの釣果報告によく登場する「カラス」ってのはきっとコイツのことだと思う。ハリスにからみついて仕掛けをぐちゃくちゃにすることがある上に毒まであるらしい……黒くて不気味という以上にお邪魔虫のようである。潮が動いてない時ほど釣れるらしいので……カラスだけに不吉な魚みたいだ。
すり身にすると絶品らしいのがオキギスという魚。最高級のかまぼこの材料の1つであるらしい。シロギスの仲間ではなく、ソトイワシ目の魚で、ギスというのが標準和名であるようだ。体長40センチくらいのが釣れていた。釣った人いわく、「こいつなんかヌルヌルだし臭い」。持ち帰って練り物を作る人にはうれしい魚なのだろうが、そうでない人はパケツに入れてキープするのさえ嫌になる魚みたいだ。
でもって、タカアシガニ。釣ったというよりは引っ掛かったって感じなのかな? 伊豆で名物になっている甲羅に対して脚が恐ろしく長いカニだ。東京湾にも生息しているとは知らなかった。最初は根掛かりと勘違い。電動リールをフルパワーにしてもなかなか上がってこないで、10分くらい格闘の末、残念なことにもげた脚だけが上がってきた。脚を伸ばせば2メートル級? どうせなら全身見たかったなぁ~っと。
羽田・かみやでもう1隻、近くのポイントを狙ったヤリイカ・オニカサゴリレー船では、ヤリイカの泳がせ釣りで、なんと!7キロのアラが釣れていた。東京湾にもとんでもない大きさの魚が潜んでいるんだなぁ~とビックリした。深場の釣り恐るべし。にしても、こんなサイズの魚……クーラーに入らないだろうし、どうやって持ち帰るんだろう???
著者: へた釣り