夏休みに入り、釣り具店のファミリーフィッシングコーナーが広くなっている。でもって、買う物がないはずのそういうコーナーを冷やかすのが大好きだったり。今回見つけたのは「カンタンサビキ ブルーベリーの香り」。思わず買いそうになった。臭わないコマセ……電車釣行組にはうれしい。
常温保存可能な絞り出し式のアミエビコマセだ。100%天然のアミエビブロックを解凍した物よりも集魚効果が劣るということは、このタイプのコマセを何度か使ったことがあるので分かってはいるのだが、それでもコマセ臭がせず、ブルーベリーの香りと言われると気になる。手に取って臭いを嗅いでみたが、当然だが密閉された状態なので、臭いは確認できなかった。お値段400円。冷凍ブロックに比べれば高いが、話のネタに1つ買っても悪くないかなと一度は買い物カゴに入れた。でも、800グラムと重いのでタナに戻す。ネットで確認すると、Amazonでも売っていた。築地盛田屋というあまり聞き慣れないい釣り餌メーカーの商品であるらしい。
気になったのにはわけがある。そのうち船宿出禁になるんじゃないか釣行で、スーパー舳シートに座った。午前中は凪で問題なかったが、午後からプチ時化に。コマセを詰める作業は両手で行うのに、船が激しく揺れるもんだから、コマセをこぼしまくった。手や竿に付いたコマセは下船後真水で洗えばなんとかなるが、シャツやズボンにコマセの汁が少しでも染みこんでしまうと……帰りの電車が辛かった。本人の鼻は1日コマセの臭いを嗅いで麻痺しているが、電車に乗り合わせてしまった人からすると異臭騒ぎである。実際、横浜から乗ってきた女性は顔をしかめて「何? この臭い人」という目でこちらをにらんだ。釣りに関してはたぶんに変態的な行為に走るが、釣り以外ではいたって健全なので、この手の羞恥プレイは…二度と経験したくないなぁっと。ブルーベリーの香りならにらまれないと思う。
著者: へた釣り