初のえいあん丸でなんとか手にすることができた城ヶ島沖オニカサゴが2匹。サイズは30センチ級で、もともと可食部が多くない魚なので、身は既にない。でも、毎晩オニカサゴのアラから取れる出汁で作った小鍋を食べつつ、お鍋の季節に最高の釣魚だなと再確認していたりする。
釣ったその日は旨味が身に回っておらず死後硬直して硬すぎるので、食べるのは胃袋だけ。内側まできれいに洗って軽く湯がいてから冷やす。ポン酢をかけると釣行後の祝杯の珍味にちょうどよい。身は3日ほど寝かしてから家族が全員そろう夜にお鍋にしていただく。炙った中骨で出汁をとって、豆腐や野菜をたっぷり入れる。4人家族だと2匹では一人2切れしか当たらないが、お出汁で煮たほかの具が美味いので、身が少ないという苦情はオニカサゴに関しては今のところなし。へた釣りだけは次の日以降もオニカサゴで取った出汁で作った小鍋を毎晩いただく。アラはたくさん入れなくても鍋の表面に脂が浮き、美味しそうな香りが立つ。具は豆腐だったりキノコだったり白菜だったり。湯葉や葛切りなどあまり主張しすぎない食材も鬼出汁の小鍋に合う。まずいことがあるとすればただ1つ。毎晩、日本酒が欲しくなる。
著者: へた釣り