Facebookにてある人が「待ってるモノが出来てこない」と嘆いておられた。「どうしてさばを読んで締め切りを設定せん!」とツッコミかけて、さばってあのサバ? 「鯖を読む」なのかな? サバは釣ったり食ったり投げ捨てたりすることはあっても、読むことはないよな~と変なことが気になりだす。
さばを読むは「鯖を読む」で正解だったみたいだ。冷蔵技術なんてものがなかった時代、痛みやすいサバを数えるときは早口でちょっぴり適当に数えていたんだそうだ。数えるのは市場の人なので、当然数はちょっぴり多めに報告される。ここから都合のよいように数字をこまかすことを「鯖を読む」というようになったみたい。都合の悪い方に数をごまかすことを「逆鯖読み」ということもあるらしいが、あまり聞いたことがない。
以前、「にべもない」のにべが魚のニベだと知ってへぇ~となったこともあり、他にもないかなぁと探してみた。釣ったことがある魚の中にちょっぴり扱いの悪いお魚を発見。「たらふく食う」「でたらめ」のたらは魚のタラのことであるらしい。言われてみればでたらめは出鱈目と書くことがある。たらふくも鱈腹という字が当てられるようだ。どうやらタラという魚、何でもかんでも口に入る物を食べられるだけ食べるという習性があるようで、やみくもに見境なくという様子をさして「でたらめ」。食べすぎて出っぷりしたお腹の様子から「たらふく」という言葉ができたみたい。
ほかにも「一発かます」のかますはカマスではないか?という情報もあった。かますは獰猛な魚なので、「一発かます」「ハッタリをかます」と使われるようになったと紹介されていた。へぇ~と一瞬思ったが、違和感があったので調べ直すと、「一発かます」のかますは「噛ます」が正しいようだ。魚のカマスは円筒形で口が大きく開く姿が農作業に使われる「叺(かます」というムシロで作った袋に似ていることから名前が付けられたというのが正解っぽい。
「かまとと」の語源はなかなか洒落ていて面白い。「ぶりっ子」(魚のブリではない)という言葉に押されて死語となりつつある「かまとと」だが、「かま」はカマボコ、「とと」は魚の幼児語。「かまはととからできてるの?」とわざとらしく幼さをアピールして客の気を引こうとした遊女をさして「かまとと」って言葉ができたようだ。「かまととぶる子」から本来わざとらしいという意味を持つ「かまとと」が省略されて「ぶりっ子」の方が定着した?
著者: へた釣り