夏のお楽しみがラムネのような風味を楽しめる「文佳人 夏純吟うすにごり」。少し甘みもありながら爽やかですっきりとした味わいなので食中酒にも適する。初夏の脂の乗り始めた魚のお刺身を、日本酒で口の中をリセットしながら楽しむ。宇佐美のカイワリ・チダイ・メジナ三種盛りと。
175日ぶりに手にしたカイワリ。これ以上に美味い刺身はないと感じている魚を約半年も食べられなかったのだから、釣り上げた瞬間はいい年したおっさんが大はしゃぎしていた。釣ったその日は味が身に回ってないので我慢して、翌日にまずは中型を1匹。2日目が身の旨味と食感の両方を最もよく楽しめるのでお刺身サイズの良型をいただいた。きときとは富山の方言なので伊豆の魚に使うのは適切ではないかもしれないがお刺身の表面が艶やかに光るきときとな脂の乗り。半年ぶりに口にしたカイワリはうっとりするほどに美味しかった。
カイワリだけだと美味いとはいえ単調になりその美味しさに慣れてしまう。優等生な白身のほのかな甘みと旨味を楽しめる初夏が旬のチダイ、少し磯臭さが残っているのが野趣に富む夏メジナとともに三種盛りに。三魚三様の美味さがあるが、やはりカイワリが群を抜く。うれしい魚のお供は初夏限定の日本酒文佳人 夏純吟うすにごり。高知のお酒にしては珍しく少し甘みがあり、酸味が強い。口に含むとラムネのような爽やかな後口を残す。最高のお刺身と極上の日本酒…釣り人冥利に尽きる。
著者: へた釣り