船宿で配られるから何の疑問もなく使っていたが、金沢八景・一之瀬丸のアミ五目で配られたイカタンは白だった。イサキのときもウィリーでどうにもならないときは白いイカタンが配られる。どうしてアジ釣りのときだけ赤いんだろうと考えるとすごく気になる。一之瀬丸でもアジは赤タンだ。
海中での色の見え方を調べた実験では赤色は水深3メートルでほぼ黒に近い茶色、水深20メートルになると人間の目には黒にしか見えなくなる。白、赤、オレンジ、黄、黄緑、緑、水色、紫、黒の中で白か水色が深い水深でもアピール度が高いように見える。水深100メートルくらいでのウィリーで当たりカラーになることが多い、緑とオレンジは海中での色の見え方が近いというのも面白い。ただし……魚の目にどう見えているのかは……分からないけれど。
どうしてアジ釣りは赤タン? どれだけ調べてもよく分からない。赤タンを使うアジ釣りはLT化される前から行われていたので、水深の深いポイントでの釣りだ。とすると赤タンは海中であまり目立たせないための色と考えていいのかな? 黒いシルエットとして魚には逆によく見えていると考えるべき? 一方でアジの色覚の研究では「波長の短い色ほど見えやすい」とある。とすると赤なんてアジには最も見えにくい色ってことになってしまう。イカタンにひと手間加えてわざわざ赤く染めているわけだし、市販のアジの仕掛けもほぼ例外なく赤い玉が付いている。この方がアジが釣れるのは間違いないんだろうけど……。
著者: へた釣り