釣りをしていると勘が悪いなぁと自分のことが嫌になることがある。潮先が有利とされるアナゴ釣りだがアンカーを入れての釣りだから船が動いているわけではない。なのにどうして潮先有利? アナゴはイソメの臭いで寄って来るからだと、2シーズンにまたがり3戦して今ごろやっと気付いたよ。
潮先という釣り座によってのあからさまな有利不利があることに気付いたのはマゴチ釣りでだ。マゴチ釣りでは船の舳先は風上を向いて潮の流れによって流れて行く。ほかの釣り座より先に新しいポイントに入っていく釣り座が潮先で、当然釣れるチャンスが他の席より増える。あまり移動しない底棲魚の釣りでは潮先が有利ということは理解できた。カワハギやオニカサゴ、アマダイなどでも明らかに釣果の差が付くという経験を何度もしている。電車釣行のんびり派なので潮先特等席に座れた経験はほとんどないのだが……。
夜アナゴも潮先が有利とされる釣りなのだが、この釣りは舳先からアンカーを入れて釣るので船は動かない。風上に船の舳先が向くというのは同じだが船が動かないってことはどこかの席から先にポイントに入るってことはない。なのにどうして釣り座に潮先、潮尻ができるんだろう?と不思議だったがこの釣りに関しては釣り座以前に分からないことが多く疑問をそのまま放置した。ラスト30分間で巻き返せた夜アナゴ開幕戦で潮先の釣り座の有利を実感することになる。ラスト30分だけ時速10匹ペース。ただし釣っている最中には風向きが変わって自分の釣り座が潮先になったとは気付いていない。あとで船宿の釣果報告を見て知った。
潮先の釣り座なら釣れるかもと知ると放置してあったどうして船が動かないのに潮先があるの?という疑問の答えが欲しくなる。ヒントは羽田・かみや異次元衆のO塚名人からもらえていた。餌付けを教わっている最中に「アナゴ釣りの場合、イソメは絶対に切って使う」と言われる。「アナゴはイソメの体液の臭いで寄ってくる」んだそうだ。イソメの臭いは潮の流れによって拡散するわけで、臭いの元(=釣り人の元)には潮先の方向からやってくる。ライトやビーズ類はアナゴがかなり近づいてから餌の存在を気付かせるための物で広い範囲に効果があるのは臭いだけ。潮の流れを遡ってアナゴは船の下までやってくるから潮先が有利って理解でいいような気がする。
著者: へた釣り