生活習慣改善のために散歩を始めた。思わぬ場所に思わぬ発見があって意外と面白い。白金のオサレ空間から古川橋に抜けようとすると「つり具」と書かれた看板。こんなところにまさかと思ったが、竜雲つり具店というお店だった。小さなお店だけど濃密な瘴気を放つ超魔界を見つけた。
魚らん坂下の交差点の辺りの東側なので住所は高輪になる。桜田通りを北に向かって歩いていて、何気なく視線を道路の向かい側に向けると「つり具」と書かれた看板が見えた。ビルも看板も年季の入った感じだったし、通りに面した1階のシャッターは下りたままだったので仕舞た屋かなとも思ったが、散歩なので歩数が増えるのは大歓迎だ。陸橋を渡って確認してみることに。桜田通りから魚らん坂の方に回り込むとがまかつやシマノのノボリが見えた。店頭には「部品素材」「中古品」と貼り紙されたポリバケツに入れられた古そうな竿が置かれている。店先に飾られていたダイワ精工(株)特約販売店、がまかつカーボンロッド契約店の証というパネルは初めて見たのでなんだかうれしい。
自動ドアを開けると、あまり広くはない細長い店内に所せましといろんな物が置いてあり、上州屋やキャスティングにはない商品の密度の凄まじさに少したじろぐことになる。入ってすぐに目に入ったのは、50円のハサミだったり200円のエギだったり。ジャンクじゃないんだろうけどジャンクっぽい激安品たち。リールも見たことない中古モデルが200円で売られていた。安い! 店内をぐるりと回る。竿は20%~35%引きで売られており、値札に値引き率が書いてあるのが良心的だ。少し値が張る和竿が置いてあるかと思えば、最新のカワハギ竿もちゃんと売られている。他所ではあまり見かけないアナゴの手バネ竿なんてそれほど高くはないのですごく気になる。
お店の隅から隅、奥の方は手を突っ込んで引きずり出して掘り出し物を探してみるのが面白そうだ。オリジナルの仕掛け類も売られているようで、気になる物がいくつかあった。安いからと言っていきなり全部買ってしまうと、お散歩のついでに足しげく通って超魔界を攻略するという楽しみが奪われてしまう。1つずつ買っていくことにしよう。本日買ったのはアナゴ用のアワビ貼りオモリ仕掛け。両天秤と幹糸に付いているビーズの数がとんでもない。ほかの釣り人からなんじゃ、それ!! とツッコまれる変な仕掛け大好きなへた釣りの琴線に触れまくり。
著者: へた釣り