三重県の尾鷲市で2月7日に行われる「笑い祭」。醜女である山の神を慰めるため、もっと醜いオコゼを供えて笑い飛ばす。山の神も自分より醜いオコゼの顔を笑うことで、機嫌をよくし、豊作をもたらしてくれる。山の神に「オコゼは魚ではありません」と説明しながら笑うんだってさぁ~。
「笑い祭」の説明では、山の神と海の神がそれぞれの幸を競い合った結果、山の神がオコゼ1匹の差で負けてしまったから「オコゼは魚ではありません」と山の神を慰めたという話が採られている。オコゼの醜さを同じくらい醜い山の神が笑うという方が面白いので、別のバリエーションを紹介する。
山の神(田の神でもある)が村の田んぼを見回っているうちに誤って小川に落ちてしまう。水面に映った自分の顔のあまりの醜さに恥ずかしくなった山の神は山に逃げ帰り祠に閉じこもってしまう。豊作を願う村人たちはなんとか山の神に機嫌を直してもらおうと、山の神より醜いオコゼを祠の前にお供えする。そのとき、山の神が「魚と比べるなんて! 馬鹿にしてるの? キィーーーー!!」とならないように「オコゼは魚ではありません」と滅茶なことを村人たちが口をそろえて言い張るのである。
オコゼという名の魚、東京湾では小さなサイズの毒魚ハオコゼくらいしか釣ったことがないが、オニオコゼという魚はものすごく美味な魚であるらしい。1匹丸々唐揚げにしたり、薄造りでお刺身、アラはお味噌汁などにして食べるようだ。関西方面のお値段が張りそうな和食のお店のメニューに入っていたりする。肝まで絶品であるらしい。ここまで美味い! 美味い!と書かれると、釣ってみたくなったのだが、駿河湾以西にしかいないみたい。アマゾンで売ってたので少し高いけど、買っちゃおうかなぁ~。
著者: へた釣り