カイワリの食べごろは釣って2、3日。一方のマハタモドキは根魚なので最低でも3日は寝かせたい。2種盛りを美味しく食べられるのは3日目だけなので、その日はお刺身で。翌日からマハタモドキをお鍋でいただく。アラ汁で美味しいのは分かっていたがカイワリがかすむほどの美味さ。
釣った翌日から良型だったのでたっぷりある中骨などのアラで出汁を取ってアラ汁を作って楽しんでいた。お吸い物風にしたり、お味噌汁風にしたり。小鍋にいっぱい作って毎晩食べていたが、表面に脂がうっすらと浮いており、お豆腐やシメジなどに香りと旨味が移って絶品。お鍋にしたときの美味しさを想像しつrつ、身に旨味が回るまでアラ汁だけで我慢する。
3日目は遂にカイワリ&マハタモドキの二種盛り。カイワリはへた釣り家の刺し盛りの不動のセンターポジション。表面がテカテカと光るほどにたっぷり乗った脂の旨味が「うめぇだろ!」と口の中に分かりやすく広がる。一方のマハタモドキは口に入れた瞬間は、寝かしたりなかった?と不安になるほどにインパクトがない。鈍く歯を弾くような食感の身に歯を立て咀嚼を始めると、白身魚らしい仄かな甘みのある旨味が染み出してくる。「おいしゅおすか?」と品よく問われている気分。カイワリとマハタモドキ、どっちが美味しいかった?と問われたら、カイワリは「うめぇ!」で、マハタモドキは「おいしゅおした」と答えるしかない。
4日目からはマハタモドキのお鍋をいただく。間違いなく美味しいことは、アラ汁を食べて確信していたが、この身…鍋にするために神様が作った魚ではないかってほどに美味しかった。身厚なので中まで火を通すには少し長い時間煮る必要があるが、煮れば煮るほどに身が柔らかくなるのでは?というほどに美味しく煮あがり、箸で取ろうとするとほろりと崩れる。旨味こそお刺身ほどはっきりとは感じられないが熱を通したことで身の甘みは分かりやすく感じられるようになる。この甘みがポン酢に絶妙に合う。さらに美味いのが皮。ぷるるんとした食感がいい。マハタは30センチを少し超えるサイズまではこれまでも何度か釣ったことがあるし食べたこともあるが、50センチ超えはお鍋にすると完全に別格。
著者: へた釣り