神経締めしてもらったマゴチはあまり冷やさずに持ち帰ってその日のうちに食えるだけ食う。プリプリの弾力のある身は薄造りに。夏のフグと呼ばれることもあるマゴチの食べ方はこれに限る。紅葉おろしをほんの少し溶いたポン酢で味変用の青ネギも。文佳人 純米吟醸 土佐麗と一緒に。
マゴチほど持ち帰り方で味の変わる魚はいない気がする。神経締めをせずに血抜きだけして持ち帰っていたころは食感の悪くない白身魚という程度の認識だったが、神経締めをして冷やしすぎず(海水氷には入れず)に持ち帰るようになって夏にフグの代替魚としてお値段高めの料理店で饗されることがある理由が分かった。プリプリとした食感は確かにフグに似る。冷やしすぎないことで短時間で旨味がしっかり身に乗って、釣ったその日は食感と旨味を両立させることができる。箸で3~4切れすくってポン酢にちょんと漬けて口に運ぶ。爽やかな後口で食中酒としてお気に入りの文佳人でときどき口の中をリセットしながら食べられるだけその日のうちに食べてしまう。
著者: へた釣り