宙での釣りが全く通用せずに轟沈した第8回かみやチャンピオンシップの反省は「底での釣りも練習しとくべきだったぁ」であった。実はこの反省の文言は、カワハギ釣行が貧果に終わった時に必ずといっていいほど登場している。反省はしたけど改まらないのは宙で釣る方が楽しいから。
カワハギ釣りを始めたとき、最初に覚えたのはオーソドックスな底での釣りだった。ゼロテンションで待って、タタいて止めてタルマせて聞いて、それでもダメならハワせて聞いて。2シーズンくらいはそれで頑張っていた。知らないうちに餌を取られまくって、釣れても偶然針掛かりしたというケースが多く、自分の腕前が進歩してるんだか、してないんだか分からないままに釣れれば喜び、釣れなければシュンとするを繰り返してきた。そのとき言われたのがカワハギが仕掛けに触れてくるチリチリとかゾワッとした魚信が取れるようになれば、カワハギが餌をかすめ取っていくのに先回りできるってことだった。
手感度も目感度もとにかく釣りに必要な感度はすべて鈍い人なので、名人さんが「分かるでしょ?」と言うカワハギからのコンタクトを全く察知できずに釣行を重ねたのだが……ある日、へた釣りの鈍い感度でもチリチリとかゾワッといったカワハギの感触を察知できる方法があると気付いた。それが宙での釣りだった。カワハギが自分の仕掛けの近くにいることが分かり、それをなんとか針掛かりさせるというプロセスを自分なりに考え、精度をあげていくのが楽しかった。それ以降は宙釣り一辺倒で現在に至る。底での釣りよりも宙での釣りの方がカワハギとちゃんと対峙できているようで面白かったのである。宙で釣り始めてから型勝負の大会で優勝できるようになったことが、宙釣り命に拍車をかかる。
一方で、宙でカワハギからの魚信を出せないときに大惨敗することになる。1匹型狙いの大会ならば最後まで宙で粘り続けるのだが、良型が3匹いるTKBではリミットメイクすらできずなんてことも、さらに人生初の数釣り大会ではすぐ横に底で順調に釣っている人を見て、底での釣りに切り替えたところ魚信はあれどちっとも魚をかけられずに轟沈することになった。で、いつもの反省、底での釣りも練習しとかないと!! でも、たぶん練習なんてしない。修行とか地獄とかそういうの大嫌いだから。お気楽極楽釣り師はカワハギには不向き?
著者: へた釣り