数あるコピーの中で最悪だと思っているのが「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」。こんなのを連呼され続けた試合で惨敗する選手が気の毒になる。「戦う準備はできてい」たらしいので気にしてないっぽいのが救いか。へた釣りも「勝ちたくない戦いはない」。準備は…できてる?
準備といってもアサリを剥いて、祈りを込めてハギポンを調合するだけなんだけどね。いつも通りに人間様用大粒アサリを2.5キロほど買ってくる。剥きながら指先が冷たいと感じるようになったらカワハギシーズンはそろそろ終わりだ。23日の一之瀬丸・感謝デー釣り大会に参加して、28日に宇佐美・治久丸で伊豆の素直なカワハギさんに癒してもらって2014年のカワハギシーズンを終える予定。2.5キロあれば、残る2戦分をほぼまかなえるはず。足りない分は船宿支給の冷凍餌を使う。今季最後のアサリ剥きなので、いつも以上に丁寧にアミノ酸の分量を測ってハギポンアサリを仕込む。
大会だからと気負わずに、いつも通りに淡々と準備を進める。平常心…平常心…平常心…と自分に言い聞かせている時点で平常心じゃないんだけどね。今季を振り返ると、大会前後の練習は調子がよかった。練習の釣果通りなら大会で結構いいとこまでいけてたはずなのだが、本番に限ってド貧果に沈み続けた。いつも通りに気負わずにできることをやる。平常心…平常心…平常心…と唱えながらアサリを剥いていると目の前にバイクが止まる。「へた釣りさん、お届け物です」。頼んでおいた「塩辛メーカーの爆臭!集魚剤」が届いた。なんて、タイミング。心がざわ…ざわ…。いつも通りとか平常心とか、そんな殊勝な想いは吹き飛んだ。
ハギポンアサリに爆臭!集魚剤をぶち込んじゃえという釣りの神様の啓示としか思えない。ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…勝ちたくない戦いはどこにもない!! 戦う準備をしちゃおうか!
著者: へた釣り