これまでに食べた最高のお刺身を更新した気がする。稲取沖で釣ったアカムツの炙り刺しを食ったときもそう感じたが、アカムツとカイワリでは美味さのベクトルが違うので、両雄並び立ってもいいと思う。40センチ超えのカイワリは脂たっぷりで口の中にいつまでもその旨みを留めてくれる!!
カイワリは釣った日を含め4日間でお刺身にして食べきることにしている。食感と旨みのバランスが最もよいと感じるのが釣った翌日。土曜日に釣ったデカイワリは日曜にお刺身にしていただいた。大きくなればなるほど脂が乗る魚がいる一方で、大きくなりすぎると身がパサパサになる魚も少なくない。カイワリは20センチよりも25センチ、25センチよりも30センチが美味いので大きくなればなるほどな魚だとは思うが、初めて釣ったサイズなので実際に食べるまで不安はあった。一切れ口に運ぶとそんな不安は霧消した。
身厚でプリプリの食感のお刺身を口に入れると、その瞬間に脂の旨みが口の中に広がる。ここまでは尺カイワリと同じ。違うのは脂がたっぷりのためにいつまでもカイワリの旨みが口の中に留まり続ける。人によってはくどいと感じるかもしれないほどに濃厚だ。口福の極みともいえるデカイワリ刺しの旨みをゆっくりと堪能したら、爽やかなラムネ風味の夏酒、文佳人 夏純吟 うすにごり生で口の中を洗い流しリセットする。永久に繰り返したくなるほどにこの組み合わせは完璧な気がする。残念なのは次に40センチ級のデカイワリが釣れるのはいつになるか分からないこと。死ぬまでにもう一回食べられるかな? 今、人生の最後に食べたい物を聞かれたら、デカイワリと答える。
著者: へた釣り