面白味がないので別の漢字をと考えたのだが2020年にコロナ禍のことを外して象徴的な文字を選ぶのは無理だった。「粛」は「心をひきしめて正しく行う」こと。気のゆるみが自分だけでなく家族や仲間を巻き込んだ惨事を招く。何か行動を起こす前に「正しく行う」ために考えるように。
昨年から毎月第3週は大阪に行かなくてはならなくなり釣行回数が減っていたところにコロナ禍である。平日はほぼ机の前に座って仕事。週末の釣りだけが健康的に体を動かせる時間だったのに緊急事態宣言のせいで3月半ばから5月末まで一度も釣りに行けなかった。釣りはアウトドアでのレジャーなので感染リスクが著しく高いとは考えていなかったが、子供たちには家にいることを強いている状況で自分だけ釣りに行くのは「粛」ではないなと考えた。コロナ禍のときみんなであんなことしたよねと思い出になるようなイベントを企画して無聊を慰めた。
緊急事態宣言が解除されてからコロナとの本当の戦いが始まったように感じる。夜の街でクラスターが発生するなか、釣りと共に欠かせない趣味である外飲みをかつての頻度ではないが復活させた。妻と2人でごくごく短時間の外飲みをするだけで呑兵衛のストレスは随分と軽減する。天気のせいで釣りに行けない週末はお店が混まない昼飲みなんてこれまで封じていた禁じ手も解禁した。信用できるお店にしかいかない、若い人が利用するお店には行かないなどいくつかのルールに則っていれば「粛」な外飲みは可能と思う。
GO TO トラベルの一時中止で悩ましい事態が発生した。年末年始は大阪の母と合流して小旅行に出かける予定であった。キャンペーンの適応を受けた宿を予約していたのだが、どう振舞うのが「粛」であるか悩んでいる。母が孫(子供1号・2号)に会えるのは年末年始くらい。病があるのであと何度会わせてあげられるだろうと考えると旅行自体を中止するのは避けたい。一方で感染すると重症化する可能性がある高齢の母を旅に連れ出していいものかと…どうすれば「粛」なんだろう。
著者: へた釣り