竹岡ラーメンとともに房総を代表する漁師町ラーメンが「勝浦タンタンメン」。海で働く人たちが寒い海仕事の後に、冷えた体を手っとり早く温めるためにラー油を大量に使ったラーメンを食べていた。汁は真っ赤。ベースは醤油味らしいのだが、ラー油そのものに麺が入っているように見える。
勝浦タンタンメンは第6回B-1グランプリに出場し第7位になるなど、竹岡ラーメンに続けとばかりに知名度を上げてきている。へた釣りは食べたことがないのだが、食べたことがある人によると、とにかく目の前に置かれた段階で、「赤っ!」と驚くそうだ。坦々麺は通常ゴマ味でラー油は少しのはずなのだが……汁=ラー油。上にはミジン切りのタマネギと挽き肉。一口すするとその辛さは見かけ通りの激ピリ辛。食道を通り、胃に収まってなお、辛いと感じるものらしい。
カプサイシン効果で胃の辺りから温かくなってくるというのであるから、まさに冬の漁師町ならではラーメン。そんな勝浦タンタンメンがベビースターラーメンになった。千葉県の道の駅、お土産物屋でしか買えないのかと残念に思っていたら、楽天の房の駅でも買える。8袋入りで650円。タンタンメン風味パウダーで辛み、オニオンパウダーで甘み、ミート調味エキスで挽き肉の旨みと味の構成要素は似ていると思われる。
漁師町ラーメンといえば、釧路・かど屋のラーメンも、つぶ貝の壺焼きから煮こぼれた醤油をタレにした(スープはなくてお湯で溶いた?)ラーメン。いかにも漁師町風のラーメンなのだが……PR下手なのかあまり有名にはなってない。細ちぢれ麺醤油味で普通に美味しい釧路ラーメンとは全く別のもの。竹岡ラーメン同様、一口食べて「なんじゃ、これはっ!」と驚かされた麺ではある。
著者: へた釣り