初めて釣った魚は喰ってみるまでワクワクできる。ウィリーこいこい第3戦でゲットしたチカメキントキ。ガラス玉のような目がいかにも深海魚っぽいし、シルエットがこれまで食べて美味しかった魚に類似するものがなかったのであまり期待してなかったのだが、予想に反して美味しかったよ。
経験則上、船長が魚の名前を言いながらタモ入れしてくれる魚は美味なことが多いんだけど、背ビレ、腹ビレ、尻ビレを大きく広げて上がってきた真っ赤な魚体はお世辞にも美味しそうには見えなかった。目は少し濁ったガラス玉風で、深海魚っぽさをアピールしているのも深場釣りの経験に乏しいので怖いと感じる。体表は小さなウロコに覆われてザラザラとした手触り。深海の赤い魚はキンメやアカムツなど高級魚が多いという知識はあるのだが、キントキは高級魚には数えられていないわけで、釣ったはいいがどうやって食べようかと悩む。
分からないことは聞くしかないので、「どうやって食うの?」と船長に聞くと、「ウロコを付けたまま三枚におろして焼くと皮が剥がれて食べやすいですよ」とのこと。この時点でも美味しいですよとは言われなかった。こうなると頼みの綱はネット検索。刺身でも食えるらしく、3枚におろして引いた皮はウロコを付けたまま揚げると美味しいとある。初めての魚は身の味がよく分かる刺身で食うに限るので、この食べ方を採用。カイワリ、ウマヅラハギ、チカメキントキのお刺身3点盛りを作ってみた。子供たちの一番人気はチカメキントキ。チカメキントキとカイワリを食べると、ウマヅラハギの味は物足りなくなったようで、残ったものをへた釣りが一人で食べる羽目に。
へた釣りの味覚では、チカメキントキは5段階評価で4点。ほどよく食感もあり脂の乗った癖のない白身のお刺身の優等生って感じ。カイワリはもちろん5点満点だ。青物が少し苦手な子供たちには癖のあるカイワリよりもキントキの方が食べやすかったってことだろうか? 「この魚、また釣ってきてね!!」とリクエストがきたのは久しぶりだった。ウロコ付きの皮を揚げたものも子供たちには好評だった。厚みのある皮なのでお酒のつまみ用珍味としては悪くない。ウロコが歯の間に挟まるけどwww 2匹釣ったチカメキントキのうち35センチの物はお刺身でいけたが、小ぶりの方は刺身だと脂の乗りが足りない感じだった。小さいものは焼き物の方がいいのかな。
その体型からは想像できないほどいい引きをしてくれるので釣趣もいいし、お味の方も優等生とくれば、チカメキントキはウィリーこいこいルールで、イサキやホウボウ、マダイなどと同等のタネ札にしちゃおう。30センチくらいのを5~6匹持ち帰っても、ぺロリとへた釣り一家の胃袋に収まりそうである。というか、5~6匹は贅沢としても2~3匹ないと、子供たちが美味しい魚と認識してしまったので、へた釣りのところまで回ってこないwww ウィリーこいこいで準本命な魚が一種類増えたわけだ。誘いはオキメバルと同じくゆっくり目で待ち時間も少し長めで狙えると思う。
著者: へた釣り