アオゾイが釣れなかった2017年の北海道遠征だが、アオゾイを食べられなかったわけではない。北海道の師匠が釣った3匹は味噌漬けにして持たせてもらったし、海攻の船長にもらったものは1日熟成済みだったので、お刺身で食べた。優れた釣魚はほどよく釣れない魚なんだと思う。
アオゾイは釣り人の呼称で標準和名はクロメヌケ。岩手以北に棲む、多くのソイとくくられる魚同様、メバル属に属する魚である。味噌漬けにして美味しいとこのブログではよく紹介するが、味噌漬けにして食べるってことはすごく美味しい魚ではない。アオゾイのお刺身は脂にほのかな甘みがあり悪くはないが…お刺身で最高!!!というわけではない。北海道根魚五目の釣行記ではアオゾイより格下のように扱っているヤナギノマイとお刺身で比べると、同じサイズならヤナギノマイの方が実は美味しい。
それなのに、どうしてアオゾイを釣りたいのか? 釣りの対象魚はほどよく釣れないくらいがいい。北海道根魚五目の本命をヤナギノマイにしたら、釣れすぎて有難味がなくなる。北海道に滞在している間、何度もこの釣りに挑戦しようという気はまず起きない。大きくてよく引くマタラを本命にしてはどうかと言われるとこれまた微妙。釣りたくないときにも釣れてしまうサバのような魚というのが釣魚としてのマタラの評価だったりする。ほどよく釣れない魚のアオゾイが釣魚としてちょうどいい。ボウズをくらってもいいから、ヤナギノマイやマタラのポイントには行かずに1日、根がゴリゴリのアオゾイのポイントでやらせてくれないかなぁとすら思っていたり。来年こそはと遺恨を残してくれるくらいが釣魚としてちょうどいいのだと負け惜しみを書いておく。
著者: へた釣り