釧路から3時間半かけて遠征した知床でカラフトマスを狙うも、ノーフィッシュどころかノーバイト。全く魚の気配を感じない海に向かってルアーをキャストし続けた。魚の気配を感じない理由は…そして、帰り際に地元(北見ナンバーだった)の釣り人に教わった反則スレスレの技とは……。
その光景があまりに馬鹿馬鹿しかったので釣行記には書かなかった(面白いネタなので置いておいたともいう)のだが、定置網を仕掛けている漁師さんが釣っている最中にやってきて網を引き揚げた。網を絞り込んでいくにしたがって海面がバシャバシャと騒がしくなり、網の中にはカラフトマスがいっぱい。接岸はしているのである。でも、定置網に根こそぎ掴まっているみたいだ。「漁師さんがお休みするお盆の3日が勝負」という話は何度か聞かされたが、フレッシュランの時期でもともと個体数が少ない上に「今年は(接岸が)少し遅れ気味」。さらに定置網を仕掛けられると……なかなか厳しい釣りになるってことみたいだ。
今回は知床のめぼしいポイントを数個所見て回ったのだが、例外なく河口の左右に定置網が設置されていた。カラフトマスには障害物に当たると沖に向かって方向を変えるという習性があるらしく、定置網は岸に沿って河口に向かってくるカラフトマスを一網打尽にするように設置されている。定置網に捕まらず河口にたどり着けるのは岸に寄らずに沖から一直線に河口を目指した個体だけって感じなんだろうか? 河口に寄ったカラフトマスは汽水で体を慣らし(エラを変えるというらしい)、ペアリングを行う。繁殖相手を見つけるまでは気が立っているので目の前をルアーが通ると攻撃してくる。魚さえいればいくらでも釣れるという状態になるという。
そして帰り際に聞いた裏技。「定置網の沖の方に伸びている網があるでしょ。あの網に沿ってカラフトマスは沖に向かうので、網と水平にルアーを引いてくれば…昨日なんてその方法で9本釣った人もいたよ」。道理である。実際浜で唯一のカラフトマスを釣った人は定置網の近くまで行って釣っていたような気がする。でも…「さけ・ます釣りを行うみなさんへ」という看板を見たのを思い出す。へた釣りの場合は、定置網にルアーを引っかけないレベルのキャスト精度を身に付けないと反則スレスレではなく反則になってしまう。
著者: へた釣り