下手だと名乗っているへた釣りに魚の釣り方を聞いてくる人は滅多にいないが、カイワリだけは狙って釣っている人があまり多くないせいか、「釣り方を教えて」とたまに言われる。「ウィリーのコツはコマセ撒かないこと」と伝えるときょとんとされる。本気でそう考えているのだが……。
LTアジなどイワシミンチをコマセにする場合は、ミンチで煙幕を作ってその中に仕掛けを入れる。このときは誰よりもたくさんコマセを撒くようにしている。タナで待つのは20秒くらいまで。タナの下1.5メートル、1メートル、0.5メートルでコマセを撒いて0.5メートル巻き上げて待つ。仕掛けの長さは2.1メートルで針の位置は先針から1.3メートルの間に枝スを2本出している。素早くコマセを撒けば針は3本ともイワシミンチの煙幕に入っているはず。そのうえで煙幕が切れないようにマメに手返ししてコマセを撒き続けた者が勝つと信じている。
一方のアミコマセでの釣りはごくごく少量ずつアミコマセを撒いて、魚をコマセの発生源であるビシに近づけてこさせる釣りだと思う。魚が一瞬で食べきれる以上の量を撒くとビシより遠くの位置で魚はコマセを食べられるわけで、仕掛けがたなびいている範囲に寄ってきてくれない。カイワリなら探れる指示ダナが10メートルだとすると三往復してビシにコマセが残っているのが理想。50センチ刻みでシャクるので60回シャクってコマセが少し残っているようにビシの下は全閉で上は1/4開きくらいから始める。潮の流れによってコマセの出は変わるので残りすぎるようならさらに閉める。魚信が順調に出るようになったら三往復してコマセが半分残るくらいに設定すると、一荷以上の発生率が上がりウィリー無双状態に突入する。
著者: へた釣り