天高く馬肥ゆる秋。海の中でも脂ノリノリの魚が釣れる時期である。醤油につけると表面にぱっと脂が散るような魚を食べるとき気に入っているのが九州のさしみ醤油。砂糖醤油?ってほどに甘い。でもって脂の乗りがよい青物のお刺身と相性がよい。甘い醤油なんてと言わずに試してみて。
白身魚は塩を少しだけ付けて食べるのが好きで、身の甘みを引き出してくれる塩屋(まーすーや)の「刺身の塩(白身)」を愛用している。秋のこの時期に釣れるアジやイナダ、カイワリなどは九州のさしみ醤油で食べるのがお気に入りだ。どうして?と言われるとなかなか説明しづらいのだが、魚の脂は旨みであると同時にくどさでもある。普通のわさび醤油は脂のくどさを打ち消すように働く気がしている。対して九州のさしみ醤油は脂のくどさを甘みというくどさで包み込むようなイメージ。醤油の甘さと魚の旨みだけが際だつ気がする。関西ではちょっとお値段高めの料理屋に行くと九州のものほどではないが、少し甘めの醤油でお刺身を饗されることが多かったので、甘めの醤油=高級なお味と刷り込まれているだけかな? 大分の原次郎左衛門のうす塩さしみ醤油「あやめ」を取り寄せている。
著者: へた釣り