魚の旬を説明するとき、産卵期は卵に栄養を回すためにエサをたくさん食べるため脂の乗りがよいと書いてあることがあるかと思えば、産卵期は卵に栄養がとられてしまうために身は脂の乗りが悪くなると書いてあることも。産卵期の魚の身って美味いの? 不味いの? どっちなの?
へた釣りは宇佐美・治久丸でカイワリを狙っているときに釣れる大きなアジは、カイワリと食べ比べると有難みがないし、たくさん持ち帰ると一人で食べることになるので何匹釣っても1匹しか持ち帰らないようにしている。木部船長が「美味しいアジですよ」と勧めているのは知っているのだが……。こざかなさん名人が「治久丸での大鯵が旨い」「まさかの抱卵、脂ののった良いアジでした」と絶賛されていた。例年とは違うという但し書きがあったので、今年は例外的に美味しい?
もう1つ気になったのが産卵期の話。マダイは春の産卵期の身は脂の乗りが悪く、あまり美味しくない。身だけを食べ比べるなら紅葉鯛と呼ばれる秋の方が断然美味しい。ショウサイフグも白子の季節の身は今一つだ。でも、イサキは産卵期である梅雨の時期が旬とされており、冬に深いポイントで釣れるイサキより産卵期に浅場で釣れる物の方が脂が乗っている。産卵にかかるコスト(栄養)が魚によって違うと考えればいいのかな? 産卵期が旬となる魚は産卵にかかるコストが少なめで荒食いによって産卵に要する以上の栄養を摂取して脂を身に蓄える。アジもイサキ同様そんな魚の1つと覚えておく。
著者: へた釣り