日曜は予報より海が良かったようで釣りに行けたかもとSNSを眺めて後悔。日が落ちるのを持って行っときゃよかったなぁと飲み始める。陸で小賢しく悩むより海で竿持ってつんのめれが方針のはずなのに……。「鮭の酒びたし」が美味しかった。釣りに行かなかった悔しさが少しだけ薄れる。
お土産でいただいた鮭の酒びたしは新潟県村上市の郷土料理である。産卵準備のために河口に寄ってきた秋鮭の雄を冬から初夏まで半年にわたって日陰干しする。酒びたしという名の通り、日本酒に数分浸して乾燥しきった鮭の身を少し戻して食べる。新潟といえば米どころでもあり、日本酒の名醸地でもある。そんな土地に古くから根付いている日本酒を使った郷土料理なわけで期待が高まる。北海道で食べたことがある鮭とばに似るが鮭とばよりも身が柔らかく、口に入れるとホロリと崩れる。塩分はかなり高め。塩辛さが干して凝縮された鮭の旨みを引き立てる。日本酒のあてとしてはかなり優秀なお味で気に入った。通販でも買えるようなので日本酒飲むとき用に常備しとこう。
この日のオツマミはほかにからし蓮根の唐揚げとすじこん。からし蓮根の唐揚げは秘密のケンミンSHOWというテレビ番組で知った食べ方。からし蓮根は揚げたてが美味いが、デパートなどで買える物は揚げて数日経っている。唐揚げにすれば揚げたての状態に近づくのでは?と試してみたらこれが正解。からし味噌の風味が立ち、しゃきしゃきとした食感になった。すじこんは大阪民のソウルフードの1つでスジを煮た出汁を茹で玉子の黄味に吸わせて食べるのが大のお気に入りだったりする。
著者: へた釣り