前日は超ハイテンションで尺3枚そろえて90センチなんて夢を見る。現実は甘くない。甘くないどころか、相当しょっぱい。今年も東京湾で最も盛大なカワハギのお祭り、TKBの決勝に参加できた。今年も参加しているだけだった。リミットメイクすらできず2匹合計長44.8センチのド貧果に泣く。
南六郷・ミナミからチーム・フィーリングの一員としか参加する。船宿で釣り座のクジを引くと6番。左舷の前から3番目。西寄りの風で釣っている時間帯は上げ潮なので右舷有利だが、型勝負なので釣り座が少々悪くてもなんとかなると、桟橋へと向かう。途中でお会いして挨拶したのがDKOチャンピオンのK泉超人。絶対に近くで釣りたくない人である。席を聞くと8番。またも…すぐ横の席。ほかのどの席でもいいがこの席だけはあか~~~~ん!!!!! 終わった。さらに右隣には横浜皮研のM手洗名人。終わった×2。竿を出す前からしょんぼり。これTKBだよね…DKOじゃないよね……。
参加船は海堡の近くで一度集合して、釣りスタート。フィーリング船長の選んだポイントはあまり南下せず大貫沖の水深15メートル前後の浅目のポイント。小さな根の周りを攻めて数は捨てて良型に狙いを絞った作戦。いつものように底を大きく切ってタタキ下げて、底から1メートルくらいを仕掛けをあまり動かさずにゆっくり誘い下げカワハギからのシグナルを待つという釣り方で始めたのだが、な~んにもねぇ!! ウネリがあって宙では魚信を出せないのかもとゼロテンションにしてみてもやっぱりな~んにもねぇ!!
魚が全くいなかったわけではない。船中尺近いサイズがあがったというアナウンスがある。すぐ横でも、K泉超人が29センチのカワハギをいきなり釣り上げる。その時点でへた釣りの竿には魚信どころか、魚の気配を感じることさえ一度もなかったのだから、なんでぇ~~~っと天を仰ぐしかない。そして例によってK泉超人があっという間に小型ではあるがカワハギを釣り上げてリミットメイク達成。一度も魚信がないし、餌だってほとんど取られてない人のすぐ横でである。もうどうでもいいやって気分になってくる。
ようやくへた釣りの竿をガッと大きく引き込んでくれる魚信があった。時間は9時半くらい。一度合わせきれずに、もう一度竿を送ってなんとか掛けることに成功した。まずまずの重量感はあるが引きはそれほど強くない。水面に姿を現したのはタモ不要で抜けちゃうサイズ。計測してもらうと26.5センチだった。このサイズが3匹そろえば格好がつくと頑張ったのだが、以降3時間魚信なし。沖上がり15分前にやっと2匹目で18.3センチ。あと1匹!! 尺級がいれば! 残りわずかの時間で28.9センチが釣れた。ただし、釣ったのはM手洗名人……それがへた釣りの竿に掛かっていれば…と涙が出そうになる。そのままタイムアップ。
チーム・フィーリングは今年は箸にも棒にもかからない結果で表彰式を遠くで…眺めることもできない。声は聞こえたがな~んにも見えず。当然、上陸してあべなぎさにサインをねだるなんて無理だった。船別表彰ではK泉超人が優勝。サイズは67.2センチ。飛び賞も早掛け賞も逃して、へた釣りはTKB決勝参加4回目にして初めて何のご褒美もなしで帰ることに。決勝に参加できたからそれだけでもう十分満足だったってことにしておこう。
著者: へた釣り