妻1号は料理でも大工仕事でも器用な人だがデジタル系は超苦手である。メールなんて年に1度あるかないかなのだが、その年に1度のメールが届いた。タイトルは「買っとく?」。本文なしで写真が添付してある。広告の品、活アサリ68円。「買う」と返信して明日のカワハギを予約する。
へた釣り家の近所にあるスーパーのアサリははっきり言って高い。しかも理由は分からないが、昨年よりも1割程度値上がりしているので、100グラム110円台が最安値。店によっては100グラム200円台突入なんてことも。人間が食べる物なら高いなりに美味しいかもとか粒ぞろいだから料理しすいとか、納得できる要因を無理やり見つけられもしようが、求めているのはカワハギが食べる物である。100グラム200円のアサリなら入れパクになるとは期待しにくい。むしろ粒が小さい安い物の方が……。
特売のアサリは粒が小さめのことが多い。妻から「何グラム?」と返信があったので1000円分お願いしておく。約1.5キロ分になるはずである。1釣行で使うのにちょうどいい分量だ。羽田・かみやのカワハギ船を予約する。ステータスは出船確定になった。唯一の不安は爆弾低気圧で大荒れだった翌日なので底荒れしてないかなぁってことだが、底荒れさえしてなければ時化後の××フラグがビンビンに立っている。そこに飛び込んできたのがへた釣りの大漁以上に超レアな妻1号からのメールである。これは東京湾の釣りの神様の「明日おいでやぁ~、ええ目に遭わせたるでぇ~」という託宣に違いない。
著者: へた釣り