昨年2戦してまずまずの釣果だったので、夏タチウオへの苦手意識は薄れていたのだが、2015年開幕戦を終えての結論は、夏タチはやっぱり苦手。特に水深10メートルの浅場ではどうやって魚信を出し、どうやって食わせるかが全く分からない。まさに手も足も出ずに見逃し三振の山を築く。
富津沖が主戦場で、水深10メートルくらいを釣ると事前情報を得ていたので、嫌な予感はしていた。昨年割とうまく釣れたポイントの水深は30~40メートルくらい。誘い上げて魚信があっても誘い続けて針掛かりさせるというパターンしか釣り方を知らない。水深が10メートルしかないと、誘い上げ続けることは不可能なわけで…どうやって釣るのかな?という不安を抱きながらの釣行。羽田・かみやのタチウオ船は片舷8人とほどよい混み具合。右舷の前から4番目に釣り座を決めて、2015年夏タチウオ開幕戦に出航!
8時ちょうどに船は富津岬を少し通り越した辺りで減速する。タチウオ船団がレッドクリフ状態になっている。かみやのしゃちょう船も船団の外周に合流し、釣り開始。タナの指示は「水深10メートルで底から3メートルまで」。へた釣りはこの指示で既に混乱する。底から誘い始めるのは分かるのだが、底から3メートル(水深7メートル)まで誘うのか、それとも海面から3メートルまで(7メートル幅を)誘えばいいのか分からない。ま、適当でいいやと30センチ刻みでフワフワと誘い始めるとすぐに魚信。そのまま誘いを止めずに巻き上げていると針掛かりした。釣り開始4分で1匹目のタチウオを手にする。案ずるより産むが易しで、2015年のタチウオは好発進するかに思えた。
入れパクペースでイケちゃうんじゃない?と思ったのだが、そこからがどうにもイケない。魚信はそれなりに出せる。ただし、針掛かりに持ち込めない。水深が浅いので食わせるまで誘い上げることができないので、魚信があったら巻き上げをやめてその場でフワフワと誘いを入れてみるのだが、その間に魚の気配がなくなってしまう。仕掛けを回収してみると、タチウオには針が見えてると考えるしかない絶妙な位置で餌が齧り取られている。緩急自在の技巧派を相手にタイミングが取れずバットを振ることなく見逃し三振しまくっているみたいだ。そのうち魚信まで少なくなっていく。素振りばっかりやらされている控え選手の気分になる。
どうにもならずに時間が過ぎて行く。魚信が忘れたころにある。たくさん魚信があれば、この日の食わせ方をいろいろ試してみることもできるのだろうが、忘れたころに魚信では傾向も対策も練ることができずに、魚信があったことにビックリするだけで終わってしまう。10時半には気分転換で早々とお弁当タイム。気分を変えなければやってられないくらい何もさせてもらえない。やっと何かが針掛かりしたと思えば、まずはサバ、お次はサメだもんなぁ~。まだお昼前なのに、最初に1匹釣ってボウズじゃないからいいもんねと自分を慰めだす始末。暑いし、釣れないし、なす術なしで、心が折れた。
でも、この日は心が折れたくらいの方がよかったみたいだ。12時を回ったころ。少し休憩しようと置き竿にして水分補給をしていると、仕掛け回収の合図。リールを巻き始めるといきなり竿先がグンッと入って手元まで魚の重みが伝わってくる。釣ったというより勝手に2匹目のタチウオが釣れた。もしかして、誘わずに放置してるくらいの方がいいのかも? それではと、電動リールで超スロー巻き上げを試してみると、すぐにもう1匹追加。これまた勝手に食ってきて、勝手に針掛かりした。誘いすぎないという方針で沖上がりまで頑張ってはみたが、魚信はあれど針掛かりせず。13時くらいから水深50メートルのポイントに移動したが状況は変わらなかった。釣れないのは水深の問題じゃなかった。
著者: へた釣り