温かご飯に柔らかく煮たアナゴを乗せて、中骨から取った煮つめをからめて丼から掻きこむように食す。アナゴの食い方はこれに尽きると思うが、糖質の摂取量を控えなくてはならない体が憎い。丼飯はもちろんのこと砂糖やみりんを含む煮つめもできれば避けたい。とすると…白焼きか?
大阪生まれのへた釣りが子供のころから大好物だったものの1つにアナゴの箱寿司がある。酢飯の上に煮アナゴを乗せ立方形の箱に詰めて押して圧縮する。形が整ったらアナゴの表面に甘辛い煮つめをたっぷり塗る。大阪ではサバの箱寿司であるバッテラとともに食されることが多く、アナゴばかり食べていると、「健康にいいからバッテラも食え」と怒られた。アナゴといえばこの箱寿司の味なわけで自家製アナゴ丼もこれに近い味になっている。
健康上一番問題がない食べ方である白焼きのレシピを調べてみた。蒸したり煮たりしてから焼くというパターンのものと、いきなり串を打って焼くというものが見つかる。ウナギなら断然蒸さずに焼く派なのだが……アナゴの場合は煮てから焼くとアナゴの箱寿司に味が近付く。煮れば火は通っているわけだからお料理バーナーで表面や皮に焦げ目がつく程度に軽く炙ればOKだと思われる。白焼きはワサビ醤油で食べるのだが……やっぱり煮つめが欲しい。一切れにスポイト一滴でいいから煮つめを付けたいなぁ~っと。某銀座の高級お寿司屋さんが煮つめありとなしでアナゴを食べ比べさせてくれた。食べ比べることで両方すごく美味しく感じた記憶がある。
著者: へた釣り