週末は何を釣ろうかなぁ~っと、船宿の釣果報告を眺めていると、この数日、またも濁り潮が入って海中(特に底付近?)は暗くなっているみたい。真っ黒なサメやメダイの写真をよく見かける。水垢とも呼ばれる春の濁り潮の正体っていったい何なんだろう? 分からないので調べてみた。
海底付近の水温と海面近くの水温の温度差が少なくなると起きる現象であるらしい。バス釣りをする人がターンオーバーと言っているもの大規模版ってイメージでいいのかな? 底の海水と表面の海水の比重差が小さくなるので、海水が掻き回されるようである。このとき、底付近の海水に多く含まれている栄養塩が海中に撒き散らされるのが濁り潮発生のメカニズムのようだ。
栄養塩というのは、ケイ酸塩,リン酸塩,硝酸塩などを指し、植物プランクトンや海藻などの成長を促す物である。栄養塩類の増加に伴って、増殖した植物プランクトン(珪藻)が海中の広い層を漂うようになり、魚探にも黄色や赤色で映るようになるのが水垢だらけと呼ばれる海の状態。海中へ入る光を遮ることになるので、底の潮が暗くなりアマダイやオニカサゴ、沖のウィリーで苦戦する。
この時期だけを切り取ると、釣りの邪魔でしかない春の濁り潮だが、植物プランクトンが増加するとそれを捕食する動物ブランクトンが増える。動物プランクトンが増えると小型の魚が増え(魚の繁殖期は5月以降に集中するのはこのせい?)、小型の魚が増えるとフィッシュイーターが生きていける。春の濁り潮は海の生態系を維持するためのサイクルになくてはならないものみたいだ。
著者: へた釣り