個人的には軟体動物を触るにも見るのも食うのも好きではない。当然狙って釣る気はないのだが何かの間違いでタコが釣れて家に持ち帰ると、子供たちは大喜びする。たこ焼きが食えるからだ。へた釣りはもっぱら焼く係。大阪生まれなので、タコが嫌いなくせにたこ焼きを焼くのは得意♪
小学4年生くらいのとき、父に言われた。「大阪の男はたこ焼きとお好み焼きは上手に焼かれへんと、女の子にモテへんで」。思春期前のことなので、異性のことなんてさっぱり分からない子供へた釣りはそういうものかとたこ焼き修行に取り組んだ。今思えば、酔っぱらった父が適当な理由をつけて、たこ焼きやお好み焼きを焼く仕事を押し付けていたのではないかと……。でも、まぁ子供にしてみればたこ焼きを焼く作業は面白い。面白ければ上達するわけで、千枚通しを2本使って右手と左手で別の作業をしながら、いざひっくり返すときは2本使ってコロコロとできるとこまでは上達した。子供たちが「すごい、上手」といってくれるのがうれしかったり。んっ!?…たこ焼きが焼けると女の子(ただし小学生くらいの女児限定)にモテるというのが本当か?
タコの下処理にはちょっぴり失敗したかも。釣れたてなので、サッと茹でれば十分美味しいだろうと考えてたのだが、食べた子供たちによれば、足の根元の太い部分は固すぎて噛み切るのに苦労したらしい。調べてみると柔らかくするのにはいろんな方法がある。大根おろしに30分ほど漬ける、煮るとき重曹を加える、大根で叩く、洗濯機で洗う。洗濯機で洗うのは論外としても大根や重曹を買うのは面倒だ。一番お手軽なのが、サッと煮たら冷凍庫に入れちゃうという方法だった。冷凍することでタコの繊維が壊れて柔らかくなるんだそうだ。今度、タコが釣れたら試してみようと思う。
タコが釣れたらと考えだすと、もう1つ大きな問題が……へた釣りはタコを触るのが苦手。吸盤で手に吸い付かれたら、周りがドン引きするくらい乙女っぽい悲鳴をあげることになる。首根っこをしっかり掴めば大丈夫らしいと聞いていたのだが、海中からの物体Xは吸盤付きの触手を伸ばして首根っこを掴んでいる手に迫ってくる。誰か「軟体恐怖症でも安心! 絶対に吸い付かれないタコつかみ」を開発してくれないかなぁ? タコに接近しなくていいマジックハンドタイプなら絶対に買う!!
著者: へた釣り