釣り上げたカワハギに斑が明瞭でない白っぽいものと斑がくっきり明瞭な黒っぽく見えるものがいる。釣ったポイントの違いかな? それとも個体差かな?と想像していたが、エア抜きしてバケツに放すと白っぽかった個体も斑が明瞭に出ることに気付く。興奮するとわずか数秒で体色が変わる。
砂地で釣れたカワハギは白っぽくて、岩礁周りで釣れたカワハギは黒いと考えていた。保護色だ。11月13日放送の釣り百景「原点回帰“一つテンヤ釣法”で夢の大型真鯛を狙う」でマダイは海の状況によって体色を変えると説明されていた。底濁りをしているときのマダイの体色は白っぽくなるそうで、釣れたマダイが白っぽいときは釣りづらいらしい。底濁りや底荒れはカワハギの活性を測る上で重要なキーワードの1つだ。もしかしたらカワハギも底濁りしたら白くなる? とすると白っぽいカワハギが釣れる日は活性が低いのかな? カワハギの体色の変化について調べてみる。
「カワハギおよびアミメハギの体色変化」という論文があるのを見つけた。これによるとカワハギは興奮すると黒色斑紋が明瞭に現れるとある。群れの中の優位魚はもともと斑が明瞭で劣位魚は斑が薄い。カワハギの群れには明確な順位があり、最も体の大きな第1位の優位魚はほかの魚をあまり威嚇せずに劣位魚とともに群れを作る。第2位以下の優位魚だが第1位ではないカワハギは群れの外側に広めのテリトリーを作り、劣位魚を威嚇・攻撃して餌への接近を阻止するという傾向があるらしい。特大サイズ(第1位の優位魚)は劣位魚よりも斑が明瞭だが、常時臨戦態勢にあるまずまずサイズ(第2位以下の優位魚)の方がより明瞭みたいだ。また、ヒレが齧られて痛んでいる個体も劣位魚ということになるので、群れの中にそれより大きなカワハギが複数匹いるってことになる。
餌や集寄を追ったり、口に針を掛けられて水面に向かって引っ張り上げられているうちに興奮状態にならないのかな?って気がするが、白っぽいまま上がってくるカワハギも数多くいるので、カワハギを掛けた釣り人ほどには掛けられたカワハギの方は興奮しないと考えることにする。良型のカワハギを釣ってその色が黒っぽかったらより優位な(体の大きな)カワハギが同じ群れの中にいるってことにならないかな? 25センチ超が釣れてその体色が白っぽかったら、25センチ超が劣位魚とは考えにくいので、そのポイントではサイズアップが期待しにくいってことにならない? そんな単純なものではないとは思うが、釣れたカワハギのサイズと色で、サイズアップの期待度を想像して遊ぶのは、釣れども釣れどもTKB寸が伸びないときに、心を奮い立たせる(あるいは休憩するタイミングを知る)のに、いいかも知れない。
著者: へた釣り