集魚効果と餌への執着を強くする(はずの)ハギポン。効果があるのはカワハギに対してだけならいいのだが、ゲストにも絶大なる効果がある。本日はハギポンが逆効果になる日。釣っても釣ってもカワハギ以外の魚ばかり。ゲストを避けようと宙で釣ると魚信皆無でなんともならんかった。
TKB52予選でお世話になる南六郷・ミナミから。初めて行く船宿だし、駅から徒歩10分なので迷子になることを恐れて6時前には雑色駅に到着。商店街の中をまっすぐ行けば着くと聞いていた。朝から開いているおむすび屋さんを発見。六郷名物のたこ焼き屋さんを眺めたり、串揚げ屋さんが随分多いなぁと関心しながら歩いていくと「ミナミ」という慎ましやかな看板を発見。10分はかからなかったように感じる。受付を済ませて船着き場へと向かう。団地の中に入っていって本当にこんなとこから船が出るの?と少々不安になり始めると船が見えた。受付から船まで徒歩5分かな? 常連さんと思われる人たちに挨拶をして釣り座を右舷の艫から2番目に決める。
ミナミの雰囲気はというと、これまで行ったどの船宿よりもほんわかムード。ただし、へた釣りは例によって人見知りモード全開だったので船長や上乗りさんと常連さんたちがしている話をニヤニヤしながら聞いていただけ。操舵室の後ろのデッキが片付けられない人状態だったのと、海水が出るホースがなかったことに軽く驚いたが、出船後にもっと驚くことになる。船長からのマイクアナウンスで「カワハギの状況が悪ければシロギスやります」。え~~~~~~~~~!!である。カワハギ船だけど、カワハギ→シロギスリレー船になる可能性もあるってこと?
船は1時間半ほどかけて竹岡沖へ。9時ちょうどに釣り開始。錘が着底するとすぐに魚信がある。ベラ、お次もベラ、も一つベラ、これでもかとベラ、あ~あベラ。底を1メートル切ろうが、タタいてかわそうとしても、とにかく何をしてもベラだらけ。ハギポン効果で周りの人の倍以上のペースでベラを釣りまくることに。ようやくちょっといい魚信がある。引きは強烈だが、竿先を叩く気配はない。マハタだった。もう一丁まずまずいい魚信があり、今度はホウボウ。カワハギだけはなぜか釣れない。ようやく1匹目を手にしたのは釣り始めて1時間15分ほど経ってから。苦難の幕開け。
宙でタタいてタタキ下げ。錘が着底してもタタキ続けて、一瞬だけゼロテンションで静止。そのまま待つとベラの餌食になるので、すぐに竿を持ち上げて宙でタタくに戻る。ベラにやられる前になんとかして食い気のあるカワハギを仕掛けの周りに集めようと休まず仕掛けを動かし続けた。これでなんとか2匹だけカワハギを追加する。そのうちどれだけ努力しても魚信がほとんどなくなった。ゼロ集寄板を投入してみたり、チモトをUVレジンで夜光装飾した針を投入してみたりと、いろいろ試してみたのだが状況は一向に改善せず、12時45分ころに「帰りながらシロギスやりましょう」と無念の臨機応変リレー宣言。
カワハギ釣りに来たのになぁ~。TKB52に向けて練習したいのになぁ~と頭の中でウダウダと繰言を並べつつも、カワハギ竿でのシロギス釣り(天秤仕掛け)はやってみると意外と面白い。何が面白いって魚信はいくらでもあるのに竿で弾きまくってほとんど針掛かりしない。竿を送って飲ませてようとしてみたり、掛け合わせてみようとしてみたりと試行錯誤してみたのだが……よほどがっついているシロギスだけがなんとか釣れるって感じで15匹で終了。
カワハギの練習をしたいのに、臨機応変リレーで半日船にされちゃうとたまらないので、練習釣行はミナミからではなく、羽田・かみやからにしよう。釣り客を満足させて帰したいというミナミの船長のスタイルを否定する気は毛頭ないが、シロギスやるならシロギス用の道具でちゃんとやりたい。こちとら臨機応変にというが苦手なのである。
著者: へた釣り