東京湾で釣れた金色のアジは美味しいけど、観音崎より南で釣れた口の中が黒いアジ(ノドグロアジ)は身がパサパサでさほど美味くはないと思っていた。3週連続での不漁。仕方がないのでノドグロアジを持ち帰り食べているのだが、あれ? あれれ? 脂が乗って美味い!! 季節の問題?
へた釣りにノドグロアジは美味くないという印象を刷り込んだのは、3月~4月の洲の崎沖での沖のウィリー五目、ゴールデンウィークの伊東沖でのカイワリ五目に混じるアジ。30センチが最小の部類で、ときに40センチ超えも混じる。釣ってる分には面白いのだが、一度持ち帰って食べてみると、脂の乗りが悪く身がパサパサで食べられはするけれど強いて食べたい魚ではなかった。食べたくないのに無益な殺生はしたくないのでリリースしていた。船長から「どうして逃がすの?」と言われたこともあったが、「美味しくないから」と答えていた。ノドグロアジは美味くないと本気で信じていた。
へた釣りは100キロ級の超大型フィッシュイーターなわけで、貧果続きの6月以降は食べる魚が足りない。6月1日のイサキ開幕戦で最初に釣れたノドグロアジを1匹だけ持ち帰った。食べた感想は「たまに食うと不味いとは感じないもんだな」。カイワリの入れパク終わるやん釣行でもノドグロアジを1匹だけキープし、「伊豆のは美味しいこともあるんだな」。イサキボウズでアジだけを15匹持ち帰ったもしかしてだけど♪釣行でようやく「ひょっとしてノドグロアジが不味いってのは勘違い?」。不漁を呼ぶ男釣行でも8匹持ち帰り昨晩食べたのだが、「やっぱり美味い!!」。金アジと比べてどうというのはあまり意味がない。食べて美味いなら食べなきゃもったいない。
食べるに価しないと感じたアジとあれ? 美味いと思い直したアジの違いは……釣った時期が違うからと考えるしかない。不味いと感じたアジは3月~5月初旬に釣った物。海の季節は陸より1~2カ月遅れると言われているので、海の中が冬の時期に釣ったことになる。外海を回遊しているノドグロアジにとっては餌となるプランクトンが不足してやせ細っていたということ。アジの旬を調べてみると、初冬(陰暦の10月だから11月~12月中旬)に味が落ち始めとある。自分の舌を信じるなら、初冬から5月までのノドグロアジは旬を外している。一方、6月以降に釣れたノドグロアジをリリースするなんて、とんでもない!!
著者: へた釣り