マゴチを美味しく食べたい! かみやの光圀ちゃまから神経絞めを伝授してもらい、さらに師匠たちからいろんなアドバイスを頂いて、目指せ! 究極のマゴチ薄造り作戦を遂行中なわけだ。コリコリプリプリで透明な身のお刺身までは到達できたので中間報告。今まで食べてたマゴチとは別物。
桟橋に着く3分前にエラと尾の付け根は切って血抜きをする。3分というのは血抜きをしても死なない時間だと思われる。海水に放しておいた血が抜けたマゴチを回収したら桟橋の流しで眉間にナイフを突き立ててそこから神経絞め。絞めるのに成功したら海水氷ではなくペットボトル氷だけ入れたクーラーに入れてお持ち帰り。帰ったすぐにサク取りまで済ませて冷蔵庫に。その日のうちに食えるだけ食うというのが基本みたい。
釣った当日、神経絞めして4時間後のマゴチのお味は……すんげぇ、コリコリプリプリな身。皿が透けて見えるくらい薄く削いだ薄造りにしたのだが、口に入れて噛もうとすると歯を押し返すような弾力がある。食感を楽しむというのがマゴチの正しい食し方らしい。死ぬと二束三文の価値しかないというのはそのせいなんだろう。とすると、この状態のマゴチこそがマゴチの味ということになる。食味というよりは食感優先の魚ってことかな。
個人的な好みでいうと、神経絞めして1日経ったマゴチの身が最強じゃないかと思う。初日に比べると身の透明感はやや落ち、コリコリプリプリから身が少ししっとりしプリプリな食感に変わる。その分、身の熟成が進んで身の旨みが増している。ポン酢をつけて食べてもちゃんと白身魚らしい味を感じることができる。食味と食感がバランスよく両立している時間はそう長くないようだ。3日目になると食感の衰えが明らかになってくる。それでも十分美味い魚ではあるが、1日目、2日目の味を知ってしまうと、物足りなさを感じる。4日目以降は推して知るべし。
まだ改善点はあるらしい。釣った後から絞めるまで間のストレスを減らすといいらしいのだが……具体的な方法はよくわからない。マゴチが名物の船では大きな生簀に目印を付けて放しているのはこのためかな? 神経絞めしたあと3分間だけ海水氷に入れて体の中まで冷やしてからそれ以降あまり冷やさないようにするともっと美味しいらしい。クーラーは1個しか持って行けない。3分間冷やすためだけに海水氷を作って廃棄という手間はかかるが、一度どれくらい味が違うかやってみようと思う。
神経絞め具はルミカの「神経締めセット ロング」というのを買った(釣り具店にこれしかなかった)のだが、先端が尖りすぎていてマゴチを絞めるにはかえって神経に締め具が入って行きにくかった。光圀ちゃまから絞め具を借りて同じ方法で神経絞めをするとスッと問題なく入っていくので明らかに道具の問題。「尖りすぎてるとダメ。先端をヤスリで丸くすればいい」とのことだったので、削ってみた。これでもダメなら買い換える。
著者: へた釣り