時間があれば竿を出す。仕掛けを海中に入れてなければノーチャンス。竿さえ出せば、チャンスはゼロではない。雨に心と体を削られ、元気なコッパだらけの海に辟易しつつも頑張ったよ。頑張ったけど、ダメなときはダメなもんだと思い知る。おい、コッパ…頼むからお姉さん連れて来い。
学校の関係で本日、東京に帰らなくてはならない妻1号&子供たちを宇佐美駅までお見送りして、取って返して向かった先はいつもの堤防だったのだから、好きだねぇ~と我ながら思う。風は午前中に比べればずいぶん収まってきていたのだが、なんだか雲行きが怪しい。いつ雨が降ってきてもおかしくない空模様。朝にコマセ撒きはしたが、釣りらしい釣りはしていないので、すごく気が急く。
雨の降り出す前に堤防に到着。14時半くらいはちょうど干潮だったようで…クロダイ狙いは諦めて、メジナに狙いを絞って釣り始める。午前中に撒いたコマセがまだ効いているというわけはないのだが、仕掛けがなじむとすぐにウキが沈む、入れ食いモード。コマセをほとんど使わずに1オキアミ1コッパで最初のうちはご機嫌な釣りになった。釣れてくるのが掌(20センチ)未満のコッパばかりで、仕掛けを流す場所をいろいろ工夫してみたのだが、全くサイズアップする気配がない。
コッパ釣りも楽しいのだが、雨が降るまで短時間勝負のつもりが、コッパの猛攻で終わってしまうと少し悲しい。かといって海を休ませてポイントを作り直す時間はないわけで、できることはといえば釣り上げたコッパにこうお願いするだけ。「あのさぁ、親とまでは言わないけどね。頼むからお兄さんかお姉さん連れてきてくんない? 君たちが子だくさんなの知ってるんだから、生き残っている兄さんか姉さんいるでしょ!!」。相手は生まれて3年も経たない幼魚なので、やさしくお願いする。
コッパを諭していると雨が降ってきた。大した雨ではないのだが、冬のこの時期。日差しがないだけでも結構体の芯から冷えるのに、雨まで降り出すと、かなりきつい。コッパのお兄さんかお姉さんを1匹釣って、その手ごたえを楽しんだら帰ろうと決めたのだが、その1匹がなかなか釣れてくれない。おっという手ごたえがあっても20センチに届かないのであるから、コッパの釣り過ぎで良型の手ごたえを完全に忘れてしまっている?
つらくないと書けば嘘になる。つらい。つらいけど、もう止めたと竿をたたむ踏ん切りもつかない。コッパを針から外しながら、頭の中はそろそろ諦めるかなぁ、でもあと一投だけ頑張ってみようと繰り返す。4時を少し過ぎて、ようやく本日初の掌サイズのメジナ。コッパたちより1歳年上のお兄さんだかお姉さんが釣れた。サイズは21.5センチ。満足にはほど遠いサイズだが、一応目標は達成したので、今日もこの辺で勘弁しといたらぁ!
著者: へた釣り