釣っている最中、じゃりン子チエのおバアはんの名言を思い出す。「人間の不幸になる順番って知ってますか? ひもじい・寒い・もう死にたい…これですわ」。釣り人の不幸は「寒い・釣れない・気持ち悪い」という順番でやってくる。不幸になるのがイヤやったら頑張って釣りなはれw
予告通り、金沢八景・一之瀬丸からカワハギ狙って竹岡沖へと出撃! 前回釣行では客4人で右舷貸し切りなんて幸運に恵まれたが、今回も。風は北寄りで潮は上げなので、潮先は舳。空いてるわけないよねと席札を見ると、なんと右舷の舳が空いている。迷わず潮先特等席をゲットしたのだが……艫から席が埋まって舳が空いているパターンといえば、海が悪く船がドッタンバッタン揺れる日? さほど風はない予報だったんだけどなぁ~。
天気予報は大外れ。正確には知らないうちに天気予報が変わっていた。出船前から雨が本降りになり、風も10メートル近いんじゃないって感じに。雨に加えて飛沫を被りまくるので、やむなくキャビンに逃げ込む。キャビンの中の人いきれと大きな波を避けるためのストップ&ゴーな操船に、これは船酔いしちゃうかもな予感。金沢八景から竹岡沖までは40分くらいで到着する距離なので、なんとか酔わずにポイントに到着。少し胸がムカムカし始めていたので湾奥出船だと、酔ってたかも。
仕掛けを投入。雨、風ともに収まる気配はなく、気温は10度くらい。とにかく寒い。アサリを装餌する手がかじかむ。一応冬支度はしてきたのだが、体力と集中力が雨風に奪われていくのが分かる。それでもバリバリ魚信があれば気持ちを立て直せるのだろうが、釣れてくるのはトラギスばかりで、ようやく1匹目のカワハギを手にしたのは9時15分。釣りを開始して1時間も経ってからのことだった。寒い、釣れない、魚信が遠いままに船に揺られ続けるうちにとうとう気持ち悪くなり始め、おバアはんの声で「釣り人の不幸になる順番って知ってますか? 不幸になるのがイヤやったら頑張って釣りなはれ」という幻聴が……。
ここでペースアップしなかったら本当に危なかった。1匹目を手にして続く30分で2匹ゲット。船酔いの特効薬は本命の魚信だなぁと思い知る。気持ちの悪さが解消し、釣れないモードからようやく脱出。ならせば時速2匹ペースではあるが、最初の1時間のどうにもならない状態から抜け出したことで、気力が尽きて不幸へ真っ逆さまだけは回避できた。10時半ころには雨もようやくあがって、寒さもいくらかましになってきた。ここでいい手ごたえ。26センチと20センチの良型ダブルで、幸福への階段を昇り始める。
正午の段階で11匹。13時までの1時間で4匹追加し、寒くなければなんとかなりそうな気になっていたのだが……13時以降は沈黙。結局15匹まで。竿頭が17匹だったので、へた釣りにしては頑張った方だと思う。舳で船が激しく上下するせいで、バラシや掛け損じが結構あった。海が悪い日は潮先にこだわらずに艫寄りに釣り座を決めた方がいいのかな? サイズはTKB43ルールで26センチ、23センチ、21センチで3匹合計長70センチくらい。不幸になりそうだった割にはそこそこ釣果だね。
著者: へた釣り