釧路に戻って白糠沖の船アキアジに挑戦する予定だったが、乗船するはずだった船からまさかのドタキャン。慌てて代わりの船を探すも平日で客集まらず。船が見つからない。唯一、繁栄丸だけが、客一人でも出船してくれることに。北海道の師匠に感謝。繁栄丸船長の侠気に大いに感謝!!
釣船キャンセル(身内にご不幸があったらしい)の連絡をもらったのは2日前。釣行スケジュールは万全と思っていたら、このままでは釣りができない1日ができてしまう。北海道の師匠に乗船できる船を探してもらったのだがなかなか見つからず。途方に暮れる。師匠のなじみの釣船を何軒も当たってもらい。半ば強引に繁栄丸に予約をねじ込んでもらった。「客一人じゃなぁ~」と渋々ではあったが、そこは男・繁栄、困っているへた釣りを見捨てはしない。「前庭(釧路港周辺をこう呼ぶらしい)で、アオゾイ、ホッケでよければ」と出船を引き受けてくれた。釣りができるというだけで感謝してもし切れないほどにありがたい。4時半出船に決定し、北海道根魚五目に。7月の釣行でも繁栄丸に乗ったのだが、2日連続でアオゾイが釣れなかったのでそのリベンジ。
乗船場所に着くと、あれ? 客は一人と聞いていたので先客が2名。一緒に乗ってくれる人が見つかったのかな?と安堵していると、そうではなかった。船長がやってきて、「客一人なんて油代にもならないよ」。申し訳ない……でも、釣りたい!! 「よろしくお願いします」と深々と頭を下げる。それじゃ、ほかの釣り人は? 結局、出船時間前にあと2人(うち一人は船長の奥様)がやってきて、都合5人の釣り人を乗せて出船した。釧路の沖の日の出を見ながら、40分ほど走って最初のポイントに到着して釣り開始。
状況はあまり芳しくない。魚信が少なく、やっと魚の反応があっても釣れてくるのはスケソウダラばかり。タラコは12月~1月にしか取れないらしく、北海道の船釣りでスケソウダラといえば、東京湾でいうところのベラ並みの扱い。ここで、ほかの釣り人は?という疑問が解決。「××さん、早く仕掛けを下ろして、油代稼いでよw」。遊魚を楽しんでいるのはへた釣りだけで、残りの4人が釣った魚を売って油代を捻出するという作戦。早い話が漁師さんのアルバイトにかり出されたということみたい。船宿だけでなく常連さんにまでご迷惑かけまくりなわけだ。
でも、釣れない。スケソウダラに混じってヤナギノマイがときどき釣れるだけ。悲願のアオゾイは…へた釣りだけでなく、船中で上がった気配がない。船長がへた釣りのところまでやってきて「霧多布まで行かなきゃダメだな。客一人で行くなんてありえないんだけどなぁ~」。油代を気にしつつも繁栄丸船長の釣らせてやる魂は、これまで乗ったことのある釣船の中でもピカイチ。1時間半ほど船を走らせて、大型アオゾイを狙える霧多布沖へ。往復3時間分の油代を稼がなくてはいけなくなったへた釣り以外の人の心中は……。この移動が大成功。いきなりアオゾイが釣れ始める。しかも40センチ以上がほとんどとサイズがよい。へた釣りも無事に2012年初アオゾイをゲットした。しかも3匹同時に釣れたのだからたまらない。
その後は怒涛の入れ食い。へた釣りの竿にさえ、針数アオゾイ鯉のぼりが3度も発生したのだから、釣りというより漁みたい。 サバが釣れたり、マダラが釣れたり。80リットルのクーラーはわずかの時間で満タンに。続いて船で借りたトロ箱にも魚が溢れんばかり。「お客さ~ん、もう満足ですかぁ~」と船長。もちろん大満足である。8月から続いている不調のイメージを完全に払拭できるほどに大満足である。沖上がりと思ったら、帰り途は大黒島沖、昆布森海岸沖などのポイントにも寄ってくれて、アオゾイだけでなく、ホッケ、ガヤ(エゾメバル)、宗八ガレイ、シマゾイなんぞを追加して本当にトロ箱から魚が溢れてしまった。繁栄丸船長および油代捻出に協力してくださった皆様に感謝!!
著者: へた釣り