LTアジ釣りのコツをまとめたわりにはこの釣りであまりいい思いをしていない。アジに関しては本当に釣り運がよくないらしく半日で67匹が自己記録。束超えどころか二束釣りしてる人もいるというのに……。運の悪いへた釣りがよく聞くのが「反応あるんだけどなぁ~」という船長のボヤキ。
アジ釣りはアジの群れの上に当然だが船を止める。日によって反応の大小はあるのだろうが、アジのいない場所で釣っているということは絶対にない。タナでコマセを振り出し、アジの群れの活性を上げ、コマセに狂った状態にできれば、入れ食いになる。でも……どれだけコマセを振ってもアジがコマセに狂わない日もある。そんな日によく聞くのが「反応あるんだけどなぁ~」という船長のボヤキ。マイクオンでボヤいていることが多いので、船上の釣り人に「反応はある」という事実を伝えたいんだと思う。
今までに聞いた船長のボヤキの中で最も印象に残っているのが「反応あるんだけどな~、どうしよっかなぁ~動こうかなぁ~でも、昨日動いて失敗したからなぁ~腰すえるかなぁ~反応あるんだけどなぁ~、どうしよっかなぁ~動こうかなぁ~……」。延々とこのセリフを1時間くらい繰り返していた。アジが釣れてない上に、こんなボヤキを聞かされ続けていると、ちょっと鬱になりそうになる。シーバス師匠によれば「きっと誰かに背中を押して欲しかったんでしょうね(笑)」。誰かに「動きましょう!」と言ってもらいたいくらい船長も追い詰められているのである。
ただし、「動きましょう!」と船長に進言できるのは、船長からの信頼を得ている釣りの上手な人に限られるらしい。当然だが、へた釣りにその資格はない。ならば、「反応あるってもなぁ~釣れなきゃ意味ねぇよな~俺の立場じゃ動けよとも言えねぇしなぁ~」とボヤキ返して、船長と精神を削りあうような戦いを繰り広げてみるしかない? またお世話になる可能性がある船長さんに嫌われることは間違いないから言えるわけないんだけどねw
著者: へた釣り