プチ爆がどうしただの、凪で水温上がれば潮回りなんて関係ないだの、気分だけはマゴチのツ抜けに向けて盛り上がっていたのだが、腕の方がついていかなかった。深川・吉野屋から出撃した2012年エビマゴチ2戦目は、どうにもできず撃沈。魚信遠すぎて「マゴチリア~~ン!!」と叫ぶ。
プチ爆モードかもと期待していたのはへた釣りだけではないようで、本日の吉野屋のマゴチ船は12名とまずまずの混みよう。へた釣りは比較的早めに船宿に到着し、右舷舳の2番目に釣り座を決める。舳も空いていたのだが、竿1本で釣るため舳は竿を複数出す人に譲った(これがうれしい出来事につながる)。船は大貫沖へ一直線。思ったより船が波の上を飛び、飛沫を少々かぶる。凪のつもりだったが前日の強風でウネリが残っていたみたい。
8時少し過ぎにポイントに到着。大貫沖も少し風はあるものの、まぁ凪のうち。水深8~9メートルの浅場のポイントを攻める。………………………何も、起きない。イカやフグすらエビを襲ってくれないで、時間だけがただただ過ぎていく。開幕戦でうまくいった方法、30秒に一度は底を取り直して、水深が変わったタイミングで竿を大きく持ち上げにアピール。底荒れしてる? ………………………………………………………………………………………………………………コッともいわない。
分かっていたことだが、長潮で午前中はずっと潮止まり。道糸はほぼまっすぐ海面に入っていく。潮の流れが緩いときは底を切る長さを増やして、エビの位置を海底ギリギリにすると教わったので、5センチ刻みで魚信がでないものかと調整してみたのだが、効果なし。魚信のないまま正午をすぎる。さすがに心が折れて置き竿にする時間が長くなる。これじゃいか~~ん!! マゴチは置き竿で釣ってもうれしくないのだ。「もう置かないぞぉ!!」ってなわけで、竿からクランプを外して自分を追い詰めてみた。
昼ごはんを食べてクランプを外したら後はもうず~~~と、手持ちの1本竿で頑張る。船長さんも「勝負は(潮が動き出す)この時間帯からですよぉ~」とアナウンス。勝負の時間帯のはずなのに依然魚信は遠いまま。第1ラウンドから中盤までパンチが1発も当たらないで殴られ続けてる気分。ようやく魚信があったのが午後1時43分。6時間近く経って初めて反撃の糸口が開いたかに見えた。ところが、マゴチ釣りの場合、魚信が遠いと負のスパイラルに突入する。アワセが早すぎて空振り。尾の部分を一噛みされただけでアワセてるのだから釣れるはずがない。マゴチが小さいのか? それとも食いが相当浅いのか?
午後2時10分。2度目の魚信。今度は慎重に竿先がグンッと何度か引きこまれるのをスルーしていると……竿先に反応がなくなる。餌のエビがきれいに取られていた。最初は慌てて、次は慎重すぎて針掛かりに持ち込めない。最悪である。終了15分前の午後2時25分に最後の魚信。「もう置かないぞぉ」と自分を奮い立たせて持ち込んだ最終ラウンド。2度のチャンスを生かせずに心も体もボロボロ。今度こそはとタイミングを計ってエイヤッと合わせる。乗った! 曲がった! 巻いた! 無事船長の玉網にマゴチが収まった瞬間、「マゴチリア~ン!!」と叫びそうになる。
テーマソングはもちろん、ロッキーのテーマ。Gonna fly now~♪ flying high now~♪ サイズは43センチとかわいいが、粘りに粘って獲ったマゴチである。うれしい! 誰がなんと言おうとうれしい! うれしいと言えば、舳の人から下船間際に「あげますよ」とマゴチを2匹いただく。よっぽどマゴチを欲しそうな顔してたのかもwww というわけでクーラーの中にはマゴチが3匹。へた釣りが釣ったのは一番小さいの。
著者: へた釣り