2月5日に第8回江戸前カレイ釣り大会が開催された。250名の腕自慢の釣り人が参加しても、船中2ケタには届かないのが東京湾のカレイ釣り。寒空の下ボウズ覚悟どころかボウズ当たり前。ボウズ当たり前になったのは最近の話で昔は違った。その理由が面白かったので書きとめておく。
この話を教えてくれたのは羽田・かみやで送迎車の運転をしてくれたベテラン船長。カレイ釣り大会に参加するお客さんとの会話の中で出た話。いわく「昔は石炭で走る船がいっぱいいて、使い終わった石炭を海に捨てていく。その石炭にイトメがいっぱい住み着いて、それがカレイの餌になっていた」んだという。石炭という住処を失ったイトメは減っていき、カレイも減っていったというのが、ベテラン船長の観測。
観賞魚のお店で売られている金魚の餌になるイトメ(=糸ミミズ)と、話にでてきたイトメはどうやら別モノ。調べて見ると、汽水域の砂泥底に生息するゴカイの仲間で、アカイソメという名で釣り餌として売られているとする説もあるが、アカイソメ=ジャリメと説明している人もいるし、アカイソメ=イワイソメとする人もいるので分かりにくい。船長の言うイトメは、アオイソメよりも細長いようで、「これを房掛けにすると東京湾のカレイは喰いが抜群によい」らしい。
今度、東京湾のカレイに再挑戦するときは、イトメを探してみようと思っているのだが、釣り具屋では売っているのを見たことがない。アカイソメだとネット通販で買えるのだが、これがベテラン船長の言うイトメと同じものなのかは、甚だ自信がないので買いづらかったりする。ついでにメモしておくと、今シーズンは行徳沖よりも富岡、小柴、木更津沖の方がカレイの喰いがよいらしい。
著者: へた釣り