魚の鳴き声という表現が正しいかどうかは自信がないが、魚を釣り上げて針を外そうとして掴むと、鳴き声を上げることがある。鳴く魚として有名なのがグチという別名を持つイシモチ。浮き袋を振動させ「グゥグゥ」。その音が愚痴を言っているように聞こえるからグチと呼ばれる。
まずは、ウマヅラハギの鳴き声。ウマヅラハギだけでなく、カワハギも似たような音を出す。鳴いているというよりは、餌取り名人のはずなのに針に掛かってしまった己の運命に歯ぎしりして悔しがっている感じ。フグも似た声で鳴く。
お次はアジ。この音、確かに聞きおぼえがある。鳴き声だとは感じていなかったが、「逃がしてよ!」と抗議しているようで面白い。
ホウボウはイシモチと並んで鳴くことがよく知られている魚だ。イシモチに似たグゥグゥグゥという音を浮き袋を振動させて出す。へた釣りはこの魚のエイリアンっぽいフォルムが大好きだったりする。
コトヒキも鳴く。ホウボウやイシモチ同様ウキブクロを振動させてグゥグゥという音を出す。その音が「琴弾き」という標準和名の由来になっている。コトヒキだけでなく、シマイサキ科の魚はよく鳴く。
著者: へた釣り