船釣りに行くとき、釣り座が決まればプライヤーとハサミは船べりに置く。ライフジャケットのポケットにはこっそりニードルを入れている。出番はないに越したことない。これがあるのとないのではオマツリ修復のスピードが段違いなのだ。PEラインに結びコブができそうなとき、すごく重宝する。
オマツリをしたとき、互いにオマツリしていることに気づいて、同じペースで糸を巻き取っていけば、多くの場合は仕掛け同士が引っ掛かっただけで大惨事にはならない。でも、オマツリしていることに気づかなかったり、気付いてもらえなかったら……PEラインまで巻きこんで修復するのが大変な事態に発展する。「すいませ~ん、オマツリしました」と宣言して、誰とオマツリしているのかを確認するのだが、明らかにオマツリしているのに周りにオマツリしている人がいないなんてことも……ある。酷いときにはこちらがゆっくり巻き上げている最中に、「あ! オマツリだ」と大急ぎで巻き始めるなんて人も……急ぐな!!。
へた釣りはカワハギ釣りでもアジ釣りでもPEラインの先にフロロ4号の先糸を1メートルくらい付けている。オマツリしても被害が先糸より先だけなら迷わず切る。釣っている時間を無駄にするのがもったいないというのがその理由。それでもときどき、相手、あるいは自分のPEラインまで巻き込んでのオマツリになることがある。そんなときの最終兵器がニードル。これがあるとないとではオマツリの修復にかかる時間が倍違う。カワハギ釣りなら中錘集寄とPEラインが絡んだとき、アジ釣りなら天秤やビシにPEラインが絡みついたときにニードルを使って解いていけば、PEラインが傷つかないし、間違えて結びコブを締めてしまって絶望的な気分にならないで済む。
ほかにもバックラッシュしたときなどにも使う。このときのコツは、リールから出たPEラインを水の入ったバケツに入れていくこと。空中に放置しておくと新しい絡まりができるので、作業していない部分のPEラインはバケツの水の中に漂わせておくのが、二次被害を生まないためには必要な手順だと思う。
著者: へた釣り