深夜12時に釧路のホテルをチェックアウトし、知床と網走の中間くらいの止別海岸でアキアジチャレンジ初日が始まる。昨年人生初アキアジをゲットしたのと同じポイントなので、今年は最低でも1日3匹は……と気合を入れていた。早朝にオスを1匹、お昼ごろにイクラ入りのメスを2匹釣った。
2011年の止別海岸は昨年に比べるといくらかは空き気味。といっても横の人との感覚が30センチしかなかったのが、50センチになっただけなのだが、昨年最大の教訓は釣り人の密度に気後れしていては、止別海岸ではアキアジをゲットできないということ。なるべくやさしそうな人を探してその隣に行って「ここ入れてください」とお願いして同意を得る前に割り込む。あとはなるべく愛想よくしているのが、ミスキャストしたりオマツリしても怒られないコツ。北海道のアキアジ釣り師は9割の人のよいおじさんと1割のヤクザ顔負けのおじさんで構成されている。1割の怖い人の横に入らなければ大丈夫。
2011年の止別海岸は、昨年とは少し様子が違っていた。河口あたりが砂で浅くなって、お立ち台と言われる河口の護岸ケーソンからは釣りにならなくなっていた。代わりに浅いことを利用して、河口の付近にジャブジャブとウェーディング(立ち込み)して釣っている人が多かった。到着したのはまだ日の上がる前。真っ暗な中、海の中に腰までつかる勇気はないので、まずは浜からキャスト。北海道の師匠お手製のグロー&アワビ張りぐるぐるサーモン仕掛けなので、朝一は期待度大。
しばらくキャストを繰り返していると、竿先にコツコツという魚信。周りはまだ誰も釣れていないので、本日アキアジ一番乗り~♪ と気合を入れてアワセるとすっぽ抜け。隣の釣り人があきれて「アキアジ釣るのにアワセちゃ駄目!」と叱られる。魚信があってもリーリングは継続したまま、竿に十分にアキアジの重りが乗ってから竿を立てるのが正解。幸先悪いスタートだが、すぐあとで師匠が本日一番乗り~♪のアキアジを釣り上げた。北海道の師匠お手製のグロー&アワビ張りぐるぐるサーモン仕掛けは効く! ほどなく、へた釣りの竿も強烈にしなる。アキアジチャレンジ2011一匹目はブナ(婚姻色)は入っているが良形のアキアジのオス。開始30分で昨年の釣果に並んだ。
その後はへた釣りのグロー&アワビ張りぐるぐるサーモンは沈黙。北海度の師匠は順調に2匹目、3匹目を追加。しかし、日が昇りきって沖にボートが来て釣り始めたあたりから状況は悪くなる。アキアジの群れは沖からはボート、陸からはウェーディング腰まで立ち込み隊にはさまれ、なかなか浜からキャストして届く範囲に入ってこない。浜から釣っている人は「あんなとこに立ち込むから群れが入ってこない」と文句をブツブツ。で、ウェーディングしている人はボートが邪魔らしく「そんなに(河口に)近づくとルアーぶつけるぞ」と怒鳴っていたり……今年も止別海岸は鉄火場に。
ウェーディングしている人は1割の怖い人っぽいので、しばらく浜からキャストし続けたのだが、釣れているのはウェーディングしている人だけという状況に、へた釣りも腰までジャブジャブ海に入ることを決意。さっきまで「あんなとこに立ち込むから…」と言っていた人もどんどん海に入り始めたので怖い人比率はいくらか緩和したと思われる。ジャブジャブ海の中を歩いて、やさしそうなおじさんを探して「ここ入れてください」。
腰まで海に使って群れがいる方向に向かってキャストすると、すぐに魚信が。十分に竿に重さが乗って竿を立てると、まさかのラインブレイク。スレだったのかなぁ~と思い、もう一度仕掛けを作り直してキャストする。しばらくすると、魚信があり、竿を立てるとまたもやラインブレイク。師匠からの指示でPE1.5号を使っていたのだが、高切れを連発する。でも、師匠はPE 1.5号でその後もアキアジを追加し続けているので……何が問題なのか特定しにくい。3度目のラインブレイクにヘコんだあとで、師匠のPEは8つ縒り、へた釣りのPEは4つ縒りの上に3年前から使い続けて疲弊しているからアキアジは無理という結論に……「せっかく北海道まで来ているんだからPEラインくらいケチらない」というごもっともなことを言われてしまう。
その後、予備竿として持ってきていた昨年のタックル(KEISON 2nd RUN 120H 銀聖+PE3号)に変更すると、ラインブレイクすることなく、アキアジを取り込めるようになる。うれしいことにイクラが入ったメスを2匹追加した。ウェーディングしている場所から浜まで「バレませんように」と祈りながらアキアジを強引に引っ張ってくるのは重労働だが、うまくできると達成感があって面白い。1日目の釣果は、へた釣り3匹。北海道の師匠6匹。師匠の半分も釣れたので十分満足。ラインブレイクさえなければ……。
著者: へた釣り